【番外編】君と銀河鉄道に ページ48
××
「キハ五百億M」
「嗚呼!」
「スーパー夜空!」
「嗚呼!」
「81カシオペアα号!」
「嗚呼!」
「うん、あの二人は何をしているのかな」
ある平和な昼下がり。
武装探偵社では賢治とAの鉄道談義が繰り広げられていた。賢治は列車の名前を云い上げ、それに答えるようにAが吐息交じりに感嘆する。イチャつきともいえる奇妙な光景を、探偵社員達は見せられていた。
「敦さん!賢治さんにAちゃん取られてしまいますわよ!」
ナオミは敦の胸ぐらを掴み、揺さぶる。
そんな妹を兄である谷崎が必死に宥めているのを尻目に太宰は溜め息を吐いた。
「……真逆、賢治くんがAちゃんを口説く日が来るとは。恐ろしい子!」
「賢治は口説いてるつもりはないと思うがねェ。まぁ少なくとも太宰よりはお似合いだね、Aと賢治」
与謝野がクスリと笑い、二人に視線を戻す。
鉄道について語っているAは何時もより幼く見えた。普段警戒心の強い(主に太宰に対して)Aのあの笑顔を引き出せた賢治の勝利だろう。
そうこうしている間にも賢治とAの会話は進んでいく。
「私、祖父と祖母の実家に鉄道模型を沢山集めていたのです。その……良ければ何時か賢治後輩、見に来て頂けませんか」
「良いんですか?嬉しいです!
Aさんのお祖父様は牛って好きですか?良ければ牛一頭連れて行きますよ!あ、お祖母様もいるなら、二頭が良いですか?」
「いえそれはちょっと……」
徐々に親密になっていく二人の仲を目の当たりにし、敦は目を背けていた。太宰は何処からかロープを取り出し、国木田にしばかれている。この二人だけは通常運転である。
「銀河鉄道」
賢治の呟きにAは不思議そうな表情を見せる。
「この地球の何処かに、銀河鉄道がある、って昔おばあちゃんから聞いたんです。Aさんと銀河鉄道に乗れたら、きっと楽しいだろうなぁって」
「……賢治後輩」
乗りましょう、銀河鉄道。
賢治はそっと小指を出す。
Aは賢治の小指に自分の小指を絡め、"ゆびきりげんまん"をした。
二人が銀河鉄道に乗る日は、来るのだろうか。
**
賢治くんとゆびきりなんてしたら本当に針千本飲まされそうですよね(小声)
3767人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ