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15、無効と魅了 ページ15

××



沈黙が、降りかかる。
七竈Aの異能力は異能力者にとっては脅威でしかない、あまりにも恐ろしい異能力だった。Aがその気になれば異能力者を全滅させることも可能なのだから。


「それで?Aちゃんを探偵社に入れることを反対する人はいる?」


異論を唱える者は誰も、いなかった。
あれだけ文句を垂れていた国木田でさえも、もう何も云わなかった。もしこの異能がマフィアや良からぬ組織に渡ってしまったら、それこそ一大事だ。


「待ってください!私は探偵社員には、」

「敦くんは探偵社員になるよ?」

「え……?」

「敦くんといたいのなら、君も探偵社員になるべきだ。敦くん抜きで一人でヨコハマの街を旅するっていうのなら好きにしたら良い」


ここで敦を出すという卑怯な手段を使われ、Aは唇を引き結んだ。今まで黙していた賢治がはいっ!と手を上げる。


「Aさんの異能が `魅了´ なら、太宰さんの `無効´ とどちらが勝つんですか?」


そう、太宰の異能力はありとあらゆる異能を `無効´ にするものだ。太宰相手に異能は通じない。

一方、Aはありとあらゆる異能を `魅了´ するものだ。無効と魅了。どちらが強いのか、皆、興味があった。太宰はうーん、と顎に手を当てる。


「相反する矛盾の異能力……恐らく、だけど特異点が起きるんじゃあないかな」

「もうそんなことは良いからはやく帰ろーよー!!」


乱歩の鶴の一声により、その話は一旦終了となった。Aは不満げに目を細め、太宰を見る。太宰はその視線を平然と受け止めながら、心底残念そうに嘆いた。


「触れたことで特異点が発生するかもしれないというを考えると私はAちゃんと手も繋げないのかあ……」

「お言葉ですが、その特異点……?というものがあろうとなかろうとあなたと手を繋ぐなんてまっぴらごめんであります」

「ひ、久々にグサッと来たよ……
矢っ張り私には国木田くんしかいないのか……」

「ええい気持ち悪いわ!」


国木田と太宰が再び口論を始める。
相変わらず仲が良いねェ、と与謝野が笑った。


「妾は与謝野だ。与謝野晶子」

「……よさの、さん」

「そう、与謝野。んで、こっちが賢治だ」


宜しくお願いします!と賢治は満面の笑みを浮かべ、Aも会釈をする。そしてまだ名を聞いていない乱歩に視線を向けた。


「僕は江戸川乱歩!……ってわざわざ云わなくても知ってるでしょ?なんてったって、僕は世界一の名探偵なんだから!」



**

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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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