自慢の彼女【及川徹】

21 練習試合 ページ23

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練習試合当日。


私はすごく緊張している。
高校生になってから友達の前で徹と会うこと自体久しぶりだからだ。
デートはするけど、知り合いに会ったことはない。


「なんか顔色悪いけど大丈夫？」

「助けて潔子ー」


どうしようもなくなり、誰にも言わないことを約束に初めて徹のことを話すことにした。


「え、彼氏いたの？」

「そうなの… 黙っててごめんね」


黙っていた経緯についてもちゃんと話した。


「そっか、頑張ったんだね」
「それで青城には彼氏がいるけど、またバレてしまわないか不安だと」


「うわーどうしよう…」


「私思ったけど、それだけ続いてるなら堂々としてたらいいんじゃないの？」


「ゔっ…」


痛いところをつかれた。
確かにもう付き合ってもうすぐ５年にもなるのだ。
誰がなんと言おうと私は徹が好きなことに変わりはない。


「最近も周りに彼女って言いたいって言ってくれてるんだけど、また逃げちゃいそうで自信なくて」


逃げて、また別れの言葉を選択してしまわないかが不安だった。
あの時引き止めてくれたから今の関係があるということを、ちゃんと分かっているつもりだ。
だから同じ過ちは繰り返さない。繰り返したくないと思っている。


それでも周りからの意見が、徹の気持ちを変えてしまうのではないかと思うと、自分が彼女だという自信もなかった。


「大丈夫。バレてもその気持ちがあるなら、間違えることはないよ」

「Aの気持ち、ちゃんと伝えてあげて」


女神かと思った。田中が憧れている理由もわかる。
私は一生潔子についていくと決めた。



「ほら、清水！A！いくぞー」



バスへ乗り込み、ついに練習試合へ向かう。
青城まであと数十分。



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