自慢の彼女【及川徹】

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菅原side



「そういえばAはどこいったんだ？」


「ああ、なんか用事があるからって終わってすぐ帰ったべ」



あんなに急いでるA、初めて見たかも。



「そうか。……スガ、聞きたいことがあるんだが」


「んー？」


「さっきの試合途中… 告白でもしたか？」


「！！はあ！？？してない！してない！」


「顔を真っ赤にして蹲み込んでいるもんだから、
ついに言ったかと思ったんだがなー」



そう、俺はAが好きだ。
いつから好きと言われればいつだったか覚えていない。
自覚したのは去年の春頃だろうか。


Aは可愛いからよくモテる。
清水も美人だから、バレー部は烏野の美人と可愛いの頂点をマネージャーに置いていると羨ましがられるほどだ。
そんなAがある男子生徒に呼び出された。



ちょうど、俺と大地と話している時で
「なんか呼ばれたから言ってくる」
と席を立ったのを覚えている。
言わずもがな告白であることは間違いないだろう。



俺は呼び出されるAをみるのが面白くなくて、顔に出してるつもりは無かったんだけど、
大地に「やっぱりAのこと好きなんだな」と言われて自覚した。


それから今までずっと告白することも出来ず、俺なりに頑張って話しかけたり特別扱いしたり、徐々に気付いてもらおうと動いてきたが、きっと気付いてはいないだろう。
人の恋愛には鋭いのにどうして自分が絡むと鈍感なのか不思議なくらいだ。



ちなみに３年はA以外全員、俺の気持ちに気づいてる。



「彼氏はいないって言ってるけど、ずっと作らないのはなんでだろうとか考えると、勇気でなくってさ」


「確かに全部告白断ってるよな」


「それに周りの女子達にお似合いだとか、Aが１番仲良いのは俺だって、よく言われるんだけど…
振られた時のこと考えるとな。」



「まあ、慎重なことは悪いことじゃない。
ただ、アイツが誰とも付き合わないとも限らないぞ」


「そうだよな…… 俺ちょっと頑張ってみるよ」



彼氏がいるとかいないとか。
関係ないことはないけど、関係ありまくりだけど。
それでも俺を好きになってもらう努力をしたっていいはずだ。
大地に言われて行動するのも遅いと思うが、動き出すことが大事なのだと自分を肯定して、明日から頑張ってみようと心に決めた。

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