キラハグ ２

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「じゃあ、今度ゆっくりデートしよ」








何も言えなくなった私を助けてくれるかのように
陽之介先生は手を離してテーブルに置いてあった携帯をフリフリと掲げて見せた。








「……はい。」


「おいっ」









頷いた私にまた不機嫌になるから
ふんっ、てしてやって携帯を受け取った。









「では今日はありがとうございました。
陽之介先生からの連絡お待ちしてます」


「うん、陽之介先生じゃなくて太輔ね」


「た、太輔……先生」


「ふふ、先生付けなくていいのに」









後ろからの圧を感じながらもそんなやり取りを経て
深くお辞儀をしてから、また腕を掴まれて
半ば強引にまだ賑わっている会場を二人であとにした。









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「あの、まだパーティ終わってないけど大丈夫だったの？」


「平気、もう挨拶済ましたし」


「そっか………」







まだ暗くもなっていないような中途半端な時間。

スーツ姿とドレスアップしてる私達は変に浮いていたけど
そんなことを気にもしないで暫く無言で歩き続けた。








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「まじでいくの？あいつとデート」









何分くらいたっただろ。

不意にそう声をかけられるけど
歩く速度は変わらぬまま、私の少し前を歩いてる。









「……分かんない。
ただの社交辞令かもだし」


「んなわけねぇじゃん。
見たか？あいつの下心たっぷりの顔」


「そんなこと……」









相変わらず、ずーっと不機嫌。

ここまで何も言わずに来たけど
正直意味が分からない。

私だけがひろのあの言葉に翻弄されてドキドキして
不機嫌になりたいのはこっちだよ、って話じゃん。









「……別にいいじゃん、下心あっても」


「は？」








分かりやすく反応したひろは
ようやく立ち止まって私を振り返った。

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