キラハグ ２

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「ほらA行くぞ」


「え、どこに？」








まだご飯を食べてるっていうのに
さっき落としたフォークを拾ってくれて
そのまま腕を引かれた。









「どこにって、家に帰んだよ」


「待ってよ、まだ俺とAちゃん話してるんだけど」









ひろに引かれてる腕とは反対の腕を掴まれて
私は思わずキョロキョロと二人を交互に見た。









「は？」


「ご飯もまだ途中だし
帰るなら北山一人で帰ったら？
ちゃんとAちゃんは送り届けるし」








ばちばちばち。

謎のこのバチバチはなんなの。







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「あ………の、…………え？」









何を言葉で発したらいいのか分からないし
相変わらず二人をキョロキョロしながら挙動不審。

そんな私にしびれを切らしたかのように
片方から強く腕を引かれて




ポスッ……………、と

その反動でその人の胸に収まってしまった。









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「こいつ、俺のだから。」









耳元すぐ近くで聞こえたその声。


"口説かれてたら俺のだからって抱き寄せてやるよ。"







あの時言われた言葉と
今この瞬間がリンクした。









「ひ、ひろ………っ、」









ドクドクドク…、と
あの時妄想した興奮よりも、何倍も何百倍も心臓が悲鳴をあげてる。



だって、目の前は見慣れたスーツの色と
少しミルク混じりなヒカリの香りと、ひろの香りが混じってる優しい匂い。







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「………ふーん。」









後ろから陽之介先生のそんな声が聞こえて
我に返って慌ててその腕の中から離れ、後ろを振り返った。









「あの…っ、違うんですっ」


「何が違うんだよ、俺んだろ」


「いやそんな、誤解を招く言い方っ」


「何が誤解なわけ？」







何が、って……。

だってその"俺の"っていうのは
"俺のアシスタント"ってことなんでしょ……。

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