キラハグ ２

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「なんだかごめんなさい
気を使わせちゃって」


「え？
別に本当のこと話しただけだけど」






……それはそれで困るな。

でもきっと太輔さんなりの優しさだって分かるから
やっぱり少し安心してしまう。









「まだ北山は来てないみたいだね。
とりあえず適当に座ろっか」


「はい」






結構な人数が集まるらしいけど
まだひろの姿は見当たらない。

それに少し安堵して
太輔さんの後ろをこそこそとついていって席へと着いた。








「何飲む？お酒にする？」


「うーん…、そうしようかな……」






あまりの緊張感で
お酒の力がないとやってられない気がする。
きっとそれを察してくれたのか
太輔さんも同じくお酒を選んでくれた。








「ていうかさ、今更なんだけど
Aちゃんはまだ北山のこと好きなんだよね？」


「え？」






まだお酒も届いていない。
誰も私たちの会話なんて聞いてないにしろ
周りにも人が沢山いる。

それなのにそんなことを聞いてくるから
思わず辺りをキョロキョロと見渡してしまった。







「いや、こんなとこでごめんね？
でも二人っきりの時に聞いちゃったら
答え次第では俺も凹みそうだったから」


「……それは、」


「俺にとっていい答えだったら
そのまま押し倒しちゃいそうだしね」


「えっ？！」


「はは、とりあえず言えたらでいいから今の気持ち聞かせて？」







今の気持ち……。

正直急にそんなこと聞かれても答えられなくて
甘やかしてくれる太輔さんを傷つけたくないって気持ちもある。








「……分かんないです。
何もかも考えずにただ自分の気持ちだけを優先するのも違うと思うし
だからといって我慢したりするのも辛くて…。
太輔さんにもこんなに迷惑かけてるのに
自分が子どもっぽくて情けない」


「じゃあ自分のだけの気持ちを優先したら
まだ北山のこと好きってことだよね？」


「……………、」








言葉にするのが怖い。

それはこの心地いい生活から抜け出したくないからなのか
ひろに迷惑をかけたくないからなのか。

自分でも分からなくなってた。

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