キラハグ ２

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「随分とお洒落したんだね」


「えっ(ギクッ)」








準備も終えて家を出ようとした夕方。

髪を巻いて、化粧も少しだけ気合を入れて
服も少しだけ女の子らしくしたわたしの姿を見て
少しだけ不服そう。









「誰のためにお洒落したんだかな〜」


「そ、それは太輔さんのためだよ？！
お仲間たちの集まりで、太輔さんが恥ずかしくないようにっ」


「ふ〜ん、ならいいけど」








ちょっと納得してない様子だったけど
耳にかけて片方に寄せてた髪の毛を優しく外して頬にかけると
耳元で囁いた。








「でもその首筋は他の男に見せて欲しくないかな」








って、甘く甘く言うから
一気に体が熱くなった。

く、首筋て……っ！
首筋なんてそんな自分で意識したことすらないのに
羞恥と戸惑いで戻された髪の毛をギュッと握りしめていた。





こんなんで私
ちゃんとひろに会えるのかな……。

不安と期待が入り交じるけど
きっと不安の方が、圧倒的に大きい。








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「おー、太輔っ………………あれ？彼女連れ？」


「んー、まぁそんなとこ。」


「いやいやいや、違いますっ」







店に入ると早速お仲間に囲まれた太輔さん。

さすが漫画界の集まりだけあって
結構な広さな個室のお店で
それだけで私は気後れしてしまうってのに、









「だって実質そうでしょ〜？」


「いやいや、あの今ちょっとお世話になってるというか
一応あの漫画のアシスタントやってて」


「……あ、そういえば前に北山といた………」








"アシスタント"という言葉で
何かを思い出したらしいそのお仲間さん。

きっと何らかの集まりでひろと一緒にいたところを
見られていたというか挨拶に回ってたのかもしれない。








「あ………、はい…」


「太輔んとこに移動したんだ？」


「いや……、その……、」








なんだか軽蔑されてる気がして言葉を失っていると、









「俺のお嫁さん候補だから
北山から奪っちゃった」


「え？お前それまじかよ」


「羨ましいでしょ？」






って、冗談混じりに笑いに変えてくれた。

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