キラハグ ２

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「着信二件か……。」






ひろからの着信は二件。

メールも二件。

そのメールには
どこいんの？
連絡ちょうだい、の二つが表示されていて
そのまま既読スルーで画面をまた暗く戻した。







きっとひろは何も言わなくても察してくれると思う。

私が咲彩さんとやり直してほしいから黙って出ていったこと。
ヒカリのこともあるし
きっと無理やりに私を連れ戻したり探したりもしないと思う。




そういうのを利用して逃げた私は
本当に最低だ。









「ごめん、お待たせ」


「あ、いえ、じゃあ作りましょうか」








戻ってきた太輔さんに
また携帯をカバンの奥に突っ込んだ。

手にしてたら連絡が来るのを
ちょっとでも期待してしまいそうだったから。








「何作る？
ってもあんまり材料もないし、定番的な目玉焼きとかしか出来ないけど」


「じゃあそうしましょう。
目玉焼き好きだし」


「あとで買い出しとか行こうね、
家に誰かといて一緒にご飯食べるとか久しぶりだからさ
なんかワクワクしちゃうわ」


「え〜、そうなんですか？」








太輔さんのことだから
頻繁に女の人が出入りしてそうなのに、意外。

そんなことを思いながら手を洗っていると
冷蔵庫から卵を取り出して
ハムとレタスも出してくれた。








「俺Aちゃんが思ってる以上に
女の子と遊んでないよ？」


「いやいやいやいや……」


「昔は北山と二人でさ
あっちやこっちに手出して遊んでたけど
さすがにこの歳になると落ち着くしね」


「そうですね、たまに聞きます。
おふたりの若い時の漫画界の荒らしっぷり」


「ふふ、若かったからね」








ひろと太輔さんはまるで正反対に見えるのに
どこか似てるというか、感じるものがある。

仲が悪いわけでもなければいいわけでもないし
だからこそいいライバル関係なんだろうなぁ、とは思うけど。

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