キラハグ ２

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「私がアシスタントですか？」


「そう、ちょうど募集してたし
北山んとこ戻れないんでしょ？」


「……そうですけど、」








今までひろのところで働いてて
急に太輔さんのところで働くのも
なんだか申し訳なさすぎる。

ひろはもちろんのこと
芦田さんやあだっちーにも沢山お世話になったんだから。









「まぁそこは急に仕事変わるのもあれだろうから焦らなくていいけど」


「…………はい。」


「こら、そんな困った顔しないでよ」









無意識に眉間にシワが寄ってたらしくて
ちょん、っておでこをつつかれた。









「とりあえず、逃げっぱなしだとダメなので…」


「そうだね、落ち着いたらちゃんと話した方がいいよ」








落ち着いたら、かぁ……。

もし咲彩さんとやり直してたら
正直漫画のアシスタントも続けずらい。

咲彩さんとヒカリとひろという家族を見ながら
仕事なんて集中できるはずがないもん。









「ま、俺はこのままお嫁さんに来てもらってもいいけど？」


「お嫁さん？」


「Aちゃんが俺のお嫁さん」


「えっ？！」


「そういう選択肢もあるから
そんな難しく考えることないよってこと」








"お嫁さん"ってことの方が
よっぽど難しく考えちゃうんだけど……

それでも今の私には
太輔さんは救いなのかもしれないなって。









「じゃあとりあえず……
しばらくよろしくお願いします」


「うん、ゆっくりしてていいからね」









ひろの家とはまた違うスタイリッシュ感。

あまーい匂いも全然違うし
使い勝手も雰囲気も、当たり前だけど違う。

この蕩けるような甘い雰囲気も。









「早速だけど朝ごはん食べよっか？
お腹空かない？」


「あ、私なにか作りますよ」


「よし、じゃあ一緒に作ろう」








着替えてくるから待っててね、って奥の部屋に入るから
私は大きな荷物を部屋の端に置いて、カバンから携帯を取りだした。

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