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「とりあえず、明日また咲彩さん来るって……」
「……………」
「昼過ぎに来るらしいから
私ちょっと出掛けてるね」
何も言わなくなったひろにそう告げて
誤魔化すようにヒカリの頬に触れた。
でもその温かさが逆に胸を抉る。
「……Aはそれでいいわけ?」
「え……?」
ヒカリの頬と、ひろの手のひらでサンドされるように包まれた手。
ひろに視線を向けると
今までにないくらいの真剣な顔つき。
でも、"それでいいわけ?"って言われたって
それしかないじゃん。
他に選択肢なんてあるの?
咲彩さんの所に行かないで、なんてわがままを言って
ヒカリの母親を奪いたくない。
「俺は、
「ヒカリが一番だと思う」
私たちだけの問題じゃない。
一時のこの感情で
決めていいことじゃない。
「ヒカリのためにも………、
将来のためにも、咲彩さんとやり直すのが一番だと思うから………。」
ひろだってこう見えてもちゃんと父親なんだから
どうするのが一番最善か、なんて分かってると思う。
.
「………ちょっと待っとけ。」
おもむろに立ち上がると部屋を出ていくひろ。
どうしたんだろう、と頭では思いつつも
そのまま力なく座っていた。
.
その時、ふっ……と消えた部屋の明かり。
「えっ?!?!」
急に暗くなったから
何事かと慌ててヒカリを抱きあげようとすると、
「誕生日、おめでとう」
ドアの方から何本か見えた炎の灯り。
そのままそれを手に近付くと
テーブルへと乗せて、ロウソクの僅かな光で見えるひろの顔。
「…………え、誕生日…………」
そっか……、私今日誕生日なんだ。
色々あってすっかり忘れてた……。
「やっぱ忘れてたんだな、自分の誕生日」
「うん……、すっかり……」
はいどうぞ、ってロウソクを消すように促されたけど
私はぼーっとただその火を見つめていた。
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はちみつ(プロフ) - milkさん» こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました^^*なんだか皆続編を望んでくださって凄く嬉しいんですけども( ;∀;)なにかいいお話思いついたらすぐに書かせていただきますね♪こちらこそこんな私ですが、今年もよろしくお願いします♪ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 7eaa343f00 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - さっこさん» 続編まで!ありがとうございます!なんだか駆け足になってしまったのにヒヤヒヤもしていただいてたなんて感無量です。涙 続編の続編(笑)でも私もイチャイチャ書くの好きなんでいつか書きたいです〜♪もし書いた際にはまたよろしくお願いします^^* (2020年1月5日 12時) (レス) id: 7eaa343f00 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 完結お疲れ様でした!ヒロと無事にハピエンで終わりとても楽しく読ませて頂きました。終わったにもかかわらず、すぐ続編が読みたいと思いました。笑 こちらこそ今年もまた新しいお話楽しみにしています♪ (2020年1月4日 0時) (レス) id: e4c7bd198f (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!続編も拝読いたしました。本編は本当にどうなることかとヒヤヒヤしながらも、収まるところに収まって良かった…続編ではもっとこの二人のイチャイチャを見たい!ってなりました(笑)またご都合がつけば続編の続編(?)期待しています! (2020年1月3日 17時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - りりりさん» こちらこそ最後までありがとうございました^^*続編も読みたいとのお声本当に有難くて有難くて( ;∀;)期待に添えられるような内容ではないかもですけど、少しアップさせていただいたのでよろしければ覗いてやってください♪新作もすぐに立ち上げますね^^* (2020年1月3日 16時) (レス) id: 7eaa343f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年8月26日 12時