キラハグ ２

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「……ごめんなさい、勝手よね。
今さら宏光にもヒカリにも合わせる顔なんてないのに……」









嫌でも伝わってきてしまう咲彩さんの気持ち。

この人はヒカリのことが嫌になってひろに押し付けたわけじゃいことだけは確かだ。









「……でも、先生は咲彩さんのことを責めるようなことは一度も言ってないです」


「え……？」


「合わせる顔がないって言ってましたけど…
本当は咲彩さんはどうしたいんですか……？」








何度も会いに来る理由。

泣きそうに、でも愛おしそうに見つめるヒカリヘの視線。









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「…………もう一度、またやり直したい……」









驚くほどタイミングよく綺麗に流れた一筋の涙に
私は言葉を失ってしまった。



なぜだか私も泣きたくなって
でも泣けなくて。









「………きっとまたやり直せます。」









私の本当の気持ちはきっとこんなこと一ミリも思っていない。

今さら現れてやり直したい、だなんて都合が良すぎる
だとか、
そんなこと急に言われてもこっちの気持ちも考えてよ、とか。








でも、









咲彩さんがヒカリを見つめるその視線も
やり直したいと願って流す涙も
全てがまた元通りになるためのものだから。

私なんかが何も言えないし
何も出来ない。









「…………ありがとう………、」









深く深く頭を下げる咲彩さんに
私は呆然と正座のまま動けないでいた。

そして今日はとりあえず帰ってまた明日来ます、と言い残して
部屋を出ていくのを見送った。









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「…………ヒカリ、」








まだすやすやと眠るその柔らかい頬に触れると
堪えてた涙がポロポロと落ちていって、ヒカリの頬を濡らしていった。









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もう私の役目は終わり。

ヒカリもひろも、元の場所へ戻って幸せになるんだ。

そして私は…………。

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