キラハグ ２

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「っあ、ごめんなさ………い、」







立食パーティーだったけど
会場の端の方にテーブルと椅子があったから
あまり目立たないようにそこで食べようと向かおうとすると、








「ごめん、大丈夫？」







トンっ、て後ろにぶつかってしまったその姿に思わず動揺してしまった。

グレーのスーツに身を包んだ
陽之介先生だったから。








「すみませんっ！大丈夫です」


「久しぶりだね、Aちゃん」







シャンパングラスを持ちながら
にっこりと笑いかけられて、

相変わらずのイケメンすぎる眩しい輝きに
一瞬目が眩みそうになった。








「で、すね…」


「今日来るの知らなかったから見つけてビックリしたよ。
北山と一緒に？」


「はい、私みたいなアシスタントが場違いなんですけど」


「そんなことないよ、凄く馴染んでた」







うううう、嘘ばっかり。

こんな食に走ってる私なんかが
このメンツの中で馴染めるわけないのに。

分かりやすすぎるお世辞だけど
ちょっとだけ嬉しくてニヤけてしまった。









「俺もなんか食べようかな、挨拶も一通り終わったし」


「あ、じゃあこの辺のお肉美味しかったですよ」


「ほんと？じゃあ一緒に食べよ」








お皿を取り、綺麗にお肉と野菜を盛り付けていくその手つきを凝視しながら
"一緒に食べよ"っていう言葉を頭の中で繰り返した。









「えっ、一緒に？」


「うん、ほらあっちの席空いてるから」







それは知ってるけども、
なんで一緒に食べるんだ……？

あまりにも自然なその誘いに戸惑ってる間にも
行こ、って目線でエスコートされて
ドキドキしながらついて行ってしまう。








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「あー、お腹空いちゃった」


「そうですよね、陽之介先生有名だから忙しいですもんね」








二人で席に腰を下ろし
向かい合わせの形で、手を合わせいただきますをした。


"おいしいね"って凄くほんわかと
私は一体なにをしてるんだろう、って思うほどにほんと自然にほんわかと。

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