キラハグ ２

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「ひろ！あれ！ハナ先生がいる！！」


「ちょっ、ここでは先生って呼んでくんねぇかな」


「あ、ごめんっ」








ついつい興奮して"ひろ"って普通に呼んじゃった。

でも！だって！
ひろのことも勿論憧れの先生だけど
ハナ先生は私の青春だった。

新刊が出る度に胸キュンを貰って
私の恋愛はほぼハナ先生の漫画から学んだようなものだもん。








「やーん！ちょっと！中川先生も……、
あっ！小松先生までいますよっ？！」








何度かこういうパーティに同席はさせてもらったことはあったけど
ここまで豪華メンバーが集結してるのは初めてかも。







「騒ぐなよ、隣に俺がいんのに」


「だってだって〜……」







興奮しすぎて思わず先生の腕をギュッて掴んでた。

そんな私を見て呆れたように
一緒に挨拶に回ってくれる。








「北山くん、おっ、彼女連れかい？」


「いや、アシスタントっす。
俺がもっと可愛い子好きなの知ってるっすよね」


「ちょっと。」







憧れの先生を前に何言ってくれちゃってんの、って
隣にいたひろに肩をぶつけると
仲良いね〜、って小松先生に笑われた。




そこからは仲良さそうに
ベテラン漫画家さんと気さくに話すひろの隣にひたすらいて
ニコニコして挨拶回りをしてたのに、








「おー！健太郎！お前久しぶりじゃん！」









急に仲良しな後輩がいたのを見つけて
私の隣を離れてその人の所へと駆け寄って行ってしまった。




残された私はぽつんと一人。









「離れんなよ、って言ったくせに……」








ま、いいか。

一通り憧れの先生の挨拶にも同席できて
お腹も空いてきたし、何より目の前に並べられてるお肉やらなんやらの誘惑が………。








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「いただきまーす」








そして結局誘惑に負けて
料理コーナーの前でお皿いっぱいに盛り付けたお肉を頬張った。








「なにこれ……っ？！」







おいしい……っ！！

あまりの美味しさに一人でモグモグ。

皆挨拶やらに勤しんでるから
料理コーナーの近くなんてがら空きで、もう料理独り占めみたいなもんだよ。

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