無気力組なんでしょ？【無気力組】

episode.39「偶然」 ページ40

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「あ゛あ゛あ゛…」

「ちょっと、女子らしからぬ声だすなよ」





あんな醜態を晒してしまうなんて
一生の不覚…!

穴がなくても入りたい。





「いやでも、あんな可愛いところが
Aにもあったなんて思わなかったよ」

「ほんと、忘れてくださいお願いします」





ニヤニヤとした顔で
ケージは私を苛めてくる。





「…まあそれにしても、」





ケージはぐいっとキスでもしそうな距離まで
顔を近づけてきた。





「あんなに煽ってきたのに
なんもなしで帰るのも、ねえ」





チロっと出した舌で
さらにに色気を増す。





「ねえ、今日抱いていい…?」





顎をくいっと持ち上げられ
顔が少しずつ近づいてくる。


(や、だ…)


そう思っても身体が怯えて
いうことを聞かない。


ぎゅぅっと目を瞑った。





「あ、あっれぇ?偶然じゃん」





その一声で、体の緊張が解ける。

どうしてこんなに安心できるのだろう。





「…ﾁｯ、なんでお前がいんの」

「だから、偶然って今言ったデショ?」





ピクピクと頬を動かすその人は、
ぐいっと私を引っ張ってケージから遠ざける。





「偶然ねぇ。俺が気づいていないとでも?
ずっとつけてたの俺しって」

「だーかーらーさ」





ケージの言葉を遮ったその人は
鋭い視線をケージに向ける。





「偶然だって言ってんでしょ。
あと、コイツもらってくから」





ビクリと肩を揺らしたケージを傍目に
その人は私の手を握ってずんずんと歩き出した。





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