無気力組なんでしょ？【無気力組】

episode.27「救世主」 ページ28

「…ﾁｯ」


「けーじ、ナニしてんの？」





にこっと笑って立っているのは

金髪でメガネの蛍。


お風呂上りだったのか

半裸の状態だった。





「随分と愉しそうですね。」


「まあね。お前の所為で

なんか萎えたけど。」





ぴりっとした空気が、

私が喋りだそうとするのを制する。



蛍は私に「早く行って。」と視線で送ってきた。



私はいそいそと蛍の後ろに隠れる。





「で、何しに来たの蛍は。」

「別に、何もしに来てないケド？」





火花でも散っているんじゃないかってくらい

睨み合っている二人。





「ま、いいや。

いくらでもチャンスはあるしね。」





そう妖しく嗤って、ケージはその部屋を後にした。








「んで、君はどうなのよ。」

「え、なにが…」









「実際、誰かを選ぶの？」









「………は？」





蛍が変なことを言い出した。

誰かを選ぶって……





「誰かと付き合うってこと？」

「逆に訊くけど、それ以外になにがあるの？」





突如、変なことを言い出した蛍に

史上最強に戸惑っている。





「えっ、と……特に、選ぶとか

まず好きな人がいないし…」


「ああ、まず君のこと好きになる人がいないか。」





それは私に失礼。





「わ、私だって…！」

「ん？君だってなにさ。」





ほれほれと促すかのように

私を壁に追いやってくる。





「えっと、その…」





しどろもどろに私が目を泳がせていると、

くいっと顎を持ち上げられる。









「…僕、君の彼氏に立候補するわ。」









ちょっと待て。

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