無気力組なんでしょ？【無気力組】

episode.10「寝言」 ページ11

＿＿ツンツン





「んっ…。」




(何か頰に感じる…)

＿＿プニッ





「んぁ…？」

「起きた?」





目の前に蛍の顔がドアップ。

寝起きなので頭がまわらない。





「え、…え？！」





大声を出すと、何故か私の部屋にいる蛍は

人差し指を私の唇に押し付け、しっと小声で言った。


その行動には色っぽさがあり、

少しドキッとするが、ある大事なことを思い出す。





「え、なんで、ここにいるの？
ここ、私の部屋だよ？女の子の部屋だよ？」

「知ってます。だからいるんです。
あー、敬語めんど。」





ちょっと意味分かんないです。

いや私先輩。





「そういえば、Aの寝顔は可愛いね。」

「んぇ？」




敬語は既にとれていた。

というか、言っちゃってんですかこの子は。





「は？」

「寝起き顔やば。女子力皆無じゃん。」

「うっさい。」





いやだからね、

なんでここにいるんですかって。





「寝てる時は可愛かったのに。
寝言も可愛かったよ。うみゅ、とか言ってた。」

「嘘つけ…。」





私そんなこと言ってたら、本気で死ぬかも。

私が考え込んでいると、蛍は小さく欠伸をした。





「ん…僕も眠くなってきた…。」





すると蛍は私の横にもぞもぞと入り込んできた。



「え？ちょ、ちょっと、なにしてるの？！」

「寝る。」

「じ、自分の部屋で寝て！」

「遠いからヤダ。別にいいデショ。」

「よくないから言ってるのっ。」





いいデショを最後に、

スヤスヤと眠り始めた。





「えぇ、どうすんの…。」





とりあえず喉が渇いたので

キッチンに足を向けた。

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