閑話 一晩の甘え ページ46
*
貴「無一郎くん!!」
無「……Aさん…」
貴「すごい熱って聞いたけど大丈夫!?」
胡「大丈夫じゃないです
あと少し静かにしてくださいね」
貴「アッ、ごめんなさい」
任務が終わり帰宅しようと思ったら鎹鴉から「時透無一郎、鬼ノ毒ニヨリ高熱。蝶屋敷ニテ治療中」という報せを受けた。
無一郎くんが心配で全力で走って来て今に至る。
貴「無一郎くんが怪我なんて珍しいね
具合でも悪かったの?」
無「血鬼術が少し厄介で…」
貴「そっか、よく頑張ったねぇ」
無一郎くんの頬を撫でると、すぐに手に熱が伝わった。
苦しそうに息をしている様子を見て心が痛む。
無「……Aさんの手、冷たくて気持ちいい…」
貴「無一郎くんは熱いよ?
熱何度あるの?」
無「胡蝶さんが39度って、言ってた…」
貴「今すぐ氷嚢新しいのにしてくるね!?」
さささささんじゅうきゅうど!!?
通りでおでこに乗ってる氷嚢が冷たくないわけだよ!もう中の氷溶けて温くなってるし!
氷嚢を持って無一郎くんの傍を離れようとすると、キュッと袖を掴まれた。
無「Aさん……行かないで…」
貴「……すぐ戻ってくるから、ね?」
無「やだ…」
貴「じゃあ羽織預けるから…」
無「やだ」
貴「無一郎くん…」
どうしたものかと悩んでいると、アオイちゃんがやって来た。
これ、交換するのお願いしてもいいかな?と氷嚢を差し出すと「はい、大丈夫ですよ」とテキパキ承諾してくれたのでお任せした。
無「手…握ってほしい……」
貴「いいよ」
無一郎くんの手を優しくとると、弱々しい力で握り返してくれた。
すると安心したのか規則正しい寝息をたて始めた。
胡「Aさん、氷嚢です」
貴「あれ、しのぶちゃん?
ありがとう」
しのぶちゃんが新しい氷嚢を無一郎くんの額の上にのせてくれた。
胡「……時透さんが斬った鬼の血鬼術は
"大切な人に化ける"だったとか」
貴「趣味が悪いね」
胡「鬼が化けたのはAさんだったみたいですけどねぇ」
貴「……えっ、」
胡「今日一段と甘えるのは許してあげてくださいね
運ばれてきた時、Aさんの名前ばかり呼んでましたから」
それだけ言い残すとしのぶちゃんは部屋から立ち去った。
貴「(回復したら満足するまで稽古つけてあげよう…)」
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時