第32話 プイッ ページ37
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伊「不死川、日向では駄目だ
日陰に行かねば鬼は出て来ない」
不「お館様、失礼仕る」
不死川さんが木箱を持ってドンッと地響きを鳴らしながら座敷に移動した。
座敷の中なら太陽の光は当たらない。禰豆子ちゃんを箱の中から出させて、血塗れの腕を目の前に突き出すつもりだろう。
炭「やめろーーーーっ!!!」
禰豆子ちゃんの元へ駆け寄ろうとした炭治郎くんは伊黒さんによって地面に押さえつけられる。
肘で肺を圧迫しているせいか、息ができずに苦しそうな炭治郎くんを見て心が痛む。
不「出て来い鬼ィィ!
お前の大好きな人間の血だァ!!」
木箱を3度刺し、蓋を乱暴に外す不死川さん。
中から着物姿で髪の長い、口枷をつけた少女が出てきた。
貴「伊黒さん、少し強く押えすぎでは?
炭治郎くんが苦しそうです」
伊「動こうとするから押さえているだけだが?」
胡「…竈門くん、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと血管が破裂しますよ」
宇「血管が破裂!!いいな響き派手で!!
よし行け!破裂しろ!」
貴「宇髄さん…何言ってるんですか……」
悲「可哀想に…何と弱く哀れな子供
南無阿弥陀仏…」
座敷を見ると予想通りの状況だった。禰豆子ちゃんは顔を顰め、汗を流し、口枷を付けてなお唾液が垂れていた。
あぁ、これは無理かもしれない。
念の為刀に手を添え、足に力をためておく。
そして炭治郎くんは冨岡さんの助けもあり、拘束を逃れて禰豆子ちゃんの元へ近づく。
炭「禰豆子!!」
禰「!!」
炭治郎くんの呼び掛けで不死川さんにゆっくり近づいていた禰豆子ちゃんの足が止まった。
するとその数秒後、血が出ている不死川さんの腕からプイッと顔を背けた。
産「どうしたのかな?」
「鬼の女の子はそっぽ向きました
不死川様に三度刺されていましたが、目の前に血塗れの腕を突き出されても我慢して噛まなかったです」
産「ではこれで禰豆子が人を襲わないことの証明ができたね」
不「!!」
炭「!!」
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時