第19話 那田蜘蛛山 ページ22
*
貴「那田蜘蛛山?」
「水柱 冨岡義勇及ビ、蟲柱 胡蝶シノブ
両名トモ向カッテイル」
貴「冨岡さんとしのぶちゃん?
柱が2人も行くのに私まで?」
「十二鬼月ガイル可能性アリ」
貴「十二鬼月…」
10人の隊員が那田蜘蛛山へ調査に出向いたが、死傷者多数という報せを1匹の鎹鴉がお館様に伝えたらしい。
その状況を打破すべく柱2名を向かわせ、ついでに丁度近辺にいた私も念の為向かえと。そういうことか。
貴「那田蜘蛛山ってどっち?」
「北西ヘ走レ
30分ホドデ那田蜘蛛山ニ着ク」
貴「了解」
十二鬼月がいるのかもしれないなら冨岡さんとしのぶちゃんと合流したいな。少し急ごう。
*
貴「お、冨岡さーん!しのぶちゃーん!」
冨「…落藤、来たか」
胡「Aさん、お疲れ様です」
私が那田蜘蛛山に到着すると冨岡さんとしのぶちゃんがいた。
あちらもちょうど着いたようだった。
3人で入山すると、少し開けた広場に約3名ほどの隊士の遺体が横たわっていた。
それを見た冨岡さんは遺体の前で立ち止まり、しのぶちゃんは脈を確認するが手当をしないあたり全員間に合わなかったようだ。
胡「どなたか知り合いでもいましたか?」
貴「ううん、いないよ」
冨「……」
……いないけども。
こんな時いつも、なんとも言えない感情に襲われる。胸から口にかけて喉を掻きむしりたいほどの不快感。
胡「この辺りに生存者はいないようですね」
貴「人の気配も鬼の気配もない…
新人の癸の隊士も数名入山したらしいけど…」
胡「もう死んでるかもしれませんね」
可能性は大いに有り得る。
…急がなければ。
私の焦る心を読んだかのように冨岡さんが「行くぞ」と1人走り出した。
胡「月が綺麗ですね〜
折角一緒の任務なんですから仲良くしましょうよ」
冨「俺は鬼を斬りに来ただけだ」
胡「つれないですねぇ」
貴「まぁまぁ、しのぶちゃん
私は相も変わらずそうで安心しましたよ」
いつも通り口下手と言いますか、意思疎通が苦手と言いますか。他人と交流するの下手すぎなんだよなぁ、冨岡さん。
……まぁ、それは置いておいて。
貴「そろそろこの辺で分かれましょう
私が東、しのぶちゃんは西」
胡「了解です」
貴「冨岡さんは北を
そちらでまた合流しましょう」
冨「承知した」
それではまた。
そう言い残して東へ走った。
*
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時