第10話 近頃の悩み ページ11
*
貴「はぁぁぁ……」
「……」
貴「はぁぁぁぁぁ…」
「っるせェ!!
今すぐそれ止めねぇと息の根止めんぞォ!?」
貴「すみません不死川さん…ハア…」
不「よしぶっ殺す!!!!!」
今日は風柱の不死川さんと合同任務だ。
場所は深い森の中にある小さな村。何人もの村人が行方を眩ませているらしい。先日数十人もの隊員が調査に出向いたが、連絡が取れなくなってしまったのだ。
貴「不死川さん聞いてくれないと思いますけど私悩んでるので勝手に話しますね
あっ、独り言だと思って流してくれてかまいません」
不「……」
貴「もう聞いてくれてるんですねありがとうございます」
不「無視してんだよ察しろやァ」
貴「私今継子がいるんですけどね、可愛いんですよ」
言葉のキャッチボールが出来ていない。
分かりやすく言うと私が一方的に不死川さんにボールをぶん投げている。
だが不死川さんはなんだかんだ言って優しい人なのでボールを躱さずにキャッチしてくれるだろう。
貴「その子双子のお兄ちゃんいたんですけど、鬼に襲われて私が駆けつけた時には手遅れだったんです」
不「……」
貴「ショックで記憶喪失になっちゃって
でも私記憶喪失ならそれでもいいかなって思っちゃったんですよ
そしたら普通に生きて、結婚して、家族が出来て幸せじゃないですか
私が一生かけてその子にも、その子の家族にも、鬼を近付かせないから」
不「…てめェ……」
貴「けど鬼への怒りが消えないって言い始めたんです
鬼殺隊に入って鬼を滅ぼす為に稽古をつけてくれって
正直、私嫌だったんです」
───だって、守ろうって決めた人が死ぬかもしれないんですよ。鬼殺隊に入ったら。
私がそういえば不死川さんは大きく目を見開いた。
貴「まぁ、結局私が折れて今稽古をつけているわけですが
問題はここなんですよ」
不「問題ィ?」
貴「心が痛い……」
不「はァ?」
貴「心が痛いんですよ…
可愛い継子を厳しく稽古しなくちゃいけないの……
だからいつも感情を殺してるんですけど…」
不「心底くだらねェ」
貴「酷い!」
この時不死川さんが真面目に聞いてやって損したと思っていることを私は知る由もない。
だけどやっぱりキャッチしてくれましたね!優しい!!
*
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時