71,大人なデート ページ21
彼女に押され
言う事を聞いてベッドで寝る。
A「剥がれちゃったね。新しいの貼るよ」
碧井「ありがとう」
彼女は箱から新しい冷却シートを取り出し
俺の額に貼ってくれた。
A「病院連れて行こうにもな…
うぅ、免許取っておけばよかった…」
彼女が男の俺を運ぶのは無理があるし
車を出そうにも運転ができるのは俺だけだ。
碧井「ごめんね」
A「碧井くんが謝る事じゃないよ」
碧井「いや…」
昨日の夜に盗み聞きとかしちゃったし…
碧井「……昨日、水無瀬さんと出掛けたの?」
A「うん…」
碧井「そっか…」
聞いてしまった……。
A「帰ったら家まで迎えに来てて…
連絡は入ってたんだけど仕事中で気付いてなかったんだ。
帰りも早く帰ることしか考えてなくて…確認しなかったの」
碧井「…っ」
早く帰るのは、俺との予定があったから…なのだろうか。
勝手な妄想だが…もしそうなら嬉しいな。
A「ごめんね…行けなくて。水無瀬さんの誘い断ったら
どこに行くのか聞かれるだろうし…
もしかしたら一緒に付いて来るかもって思って…」
碧井「それは…あり得るね」
A「うん…でもそれはちょっと気不味くて嫌だなって…」
それで、彼女は水無瀬さんの誘いを受けたんだ。
…よかった。
彼が好きだから優先したのかと、思ってしまったから。
碧井「…楽しかった?」
A「えっと…」
碧井「聞かれたくない、かな…?」
彼女の気持ちを、少しでも多く知りたい…。
A「ううん。そうじゃなくて…
……正直、バーに行きたい気持ちが勝っちゃって
せっかくのごはんも満喫できなかった」
碧井「…そうなの?」
A「なんか立派なレストランで…ドレスコードもあって
身の丈に合わないなぁーってソワソワしちゃった」
碧井「ドレスコード…」
A「必要になるからって、レストラン行く前に
水無瀬さんが買ってくれた。元々そのつもりだったみたい」
碧井「なんだか…大人なデートだね」
A「お酒もあったけど酔えなかった」
碧井「あはは、Aちゃんが酔えないなんて意外」
A「私だって抑える時は抑えるんですぅ」
碧井「調整できるの?」
A「できる!」
碧井「でもいつもは…」
お酒を飲んで潰れない方が珍しいのだが。
A「普段は潰れたくて飲んでるまであるから」
碧井「えっ」
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時