68,盗み聞き ページ18
水無瀬「本当にここでいいの?」
A「はい。家もすぐそこですし…
送ってくれてありがとうございます」
水無瀬「でも…、こんな時間まで付き合わせたうえに
夜道を歩かせるなんて…」
A「コンビニにも寄るので…本当に大丈夫ですよ」
水無瀬「何買うの?」
A「またお金出そうとしてます?」
水無瀬「…駄目かな?」
A「駄目です」
二人の会話がすぐそこの距離で聞こえる。
ライブの日よりも、明るく話しているみたい。
あの日はAちゃんも動揺していたから
うまく話せなかった…っていうところかな。
A「さっきのお店も絶対高かったでしょう?」
水無瀬「お金の事は気にしなくていいのに…」
A「本来は折半が理想なんです!」
碧井「ふ…っ」
彼女の言葉につい吹き出しそうになってしまい
寸前のところで食い止める。
初めてのデートと2回目のデート……
俺が奢った次に彼女に奢ってもらった、そのあと
バーで飲んでいる際に彼女から
やはり色々と気になってしまう…と言われ
俺達の間に、今後は基本的に折半というルールが誕生した。
相手が誰になっても彼女の考え方は揺らがないみたい。
水無瀬「…君は変わらないな」
A「そりゃあそうですよ。折半が1番
後腐れ無いですし!借りは極力作らない方が良いんです!」
水無瀬「そうじゃなくて」
A「え?」
水無瀬「真面目な所も、明るい所も…
あの頃から好きだったところが、変わってない」
A「…!」
水無瀬「Aさんの事、今でもずっと好きだよ」
A「えっと…まだ、待ってほしいです…」
水無瀬「うん。流石にあれから1回しかデートしてないのに
それで決めろとは言わないよ」
A「………はい」
水無瀬「ただ、俺が言いたかっただけ」
A「あの…ちゃんと、伝えます。
でも今は悩み中なので…すぐには難しいかも…」
水無瀬「大丈夫。沢山悩んで、答えを出してもらった方が
真剣に考えた結果だと思えるから」
A「………」
水無瀬「俺を選んでもらえるように頑張るね」
碧井「………」
水無瀬さんは本気だ。
…Aちゃんも、悩んでいる。
水無瀬「コンビニ寄るんだっけ?」
A「あ、はい」
水無瀬「一緒に…」
A「いや、一人が良いです」
水無瀬「え…」
A「えっちな本読みに行くので♡」
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時