35.〈運命〉 ページ36
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��中也さん！��
��今日もかっこいい……世界で一番かっこいい…��
��中也さんのばか！あほ！もう知らない！��
��ふふ、中也さん大好き��
────気が付けば、俺の中はあいつで一杯だった。
普段はクールな印象で通ってる癖に、スイッチが変わると表情がコロコロ変わる。
「本当に俺の事好きだなコイツ…」と思う事が多かったが、余り人の事を云えないのも事実だ。
……俺は、色々と普通じゃない。
しかしAはそんなものを気にせず、俺をただの「中原中也」として見ていた。
それが、どれだけ俺を楽にした事か。
��組織の幹部とか異能力者とか、そういうものの前に、中原さんは 中原中也 っていう一人の人間ですからね��
まだ出会って間も無い頃、何気なくAが云った言葉。
その後に満足気に甘味を食べてたからきっとあいつは覚えていないだろうが。
だがあの言葉は、俺の心に妙にストンと落ちた。
……思えば、Aはいつも俺の欲しい言葉をくれた。
疲れてる時。
凹んでる時。
寂しい時。
本当に十代か疑う位には聡い奴だった。
一緒に居れる時間は全体的に見て少なかったが、俺の中で大きな存在だった事は間違いない。
数年前の俺が聞いたらきっと「一人の女相手に情けない」って笑うだろうな。
────だが、それだけ愛していた。
こんなの柄じゃねえって判ってるが、Aと出逢ったのは運命ってヤツなのかとぼんやり考えた事がある。
恋は人を変える、なんて前読んだ本に書いてあったが、案外莫迦にできないものだな。
「……女々しいな、俺」
ハッ、と乾いた笑みが溢れる。
……判ってたさ。
心から愛していようと運命の相手だろうと、いつか終わりは来るって事は。
どんなに俺の事を理解してくれていようと、愛し合っていようと、物事には必ず終焉がある。
それが偶々、今になっただけだ。
幹部として組織を指揮する今、変な蟠りが無い方が良い。
大丈夫だ、これからやる事が沢山ある。
それをこなしていれば忘れられる。
きっと……
「───クソッ…」
固く握った拳を近くの壁に叩きつける。
拳を中心に壁が抉れて破片が足元に落ちた。
彼奴の顔が、頭から離れない。
忘れようと思えば思う程、こびりついて離れなくなる。
嗚呼…俺の頭ん中のお前はいつも笑ってるな。
「……A」
瞼の裏で笑う彼奴の名を呼べば、胸の奥がズキッと痛んだ。
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奏翔 - とても面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2023年3月21日 20時) (
レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます！( ；ᵕ； ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです！ (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ﾟ+｡:.ﾟおぉ(*ﾟOﾟ *)ぉぉﾟ.:｡+ﾟめっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…😭更新頑張ります！ (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年4月28日 20時
