10.〈猫〉 ページ11
・
��御前の力は、未だ完全では無い。
だがいつか、己の力の
その時は────��
『！』
そこで目が覚めた。
広いベッドで一人、身体を起こす。
───まただ。
また十年前の映像だった。
『完全じゃない………』
夢の中で夏目のおじさんが云っていた言葉を繰り返す。
本当にああ云っていたのかはもう覚えてないけど、もし……もし、本当なら。
そうなら、私が能力を完全に制御できない理由はそれに関係しているのかもしれない。
となると……
『……行ってみるか』
今のこの状況を打破する為には、私の能力の事を一番よく知る人に聞くしかない。
きっと、彼の人の事だ。
私が今この事で悩んでいる事も想定済みだろう。
何せどの位先まで読んでいるか判らない人だから。
私が見た夢がただの夢だとしても、きっと、夏目のおじさんなら何か助言をくれる筈。
『よしっ！』
ベッドから這い出て、決意と共に思いっ切りカーテンを開けた。
_________________________
『全然見つからない……』
適当に座ったベンチでガクッと項垂れる。
私が知る限りの彼の人が居そうな処は全て探したのに、全く見つからない。
数時間前の決意が揺らぎそうだ。
神出鬼没なのは昔からだけど、これ程までだったか…？
もう鬼ごっこでもしてる気分だ。
「にゃー」
『ん？あれ、猫ちゃんだ』
「にゃーあ」
困り果てていた私の足元へすり寄って来た猫が、私の顔をじっと見上げてくる。
そういえば昔も、こんな風に猫と遊んでいたっけ。
『……ん？』
そこで、何かを感じた。
じいっと足元の猫を見詰める。
『────あぁ！！』
私がそう叫んで立ち上がると同時に、猫が走り出す。
そして曲がり角で振り返り、すっと目を細めた。
間違いない。
絶対あの子だ。
急いで鞄を引っ掴んで、私も猫の後を追って走り出す。
『ったく、猫とか聞いてないよっ！』
・
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奏翔 - とても面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2023年3月21日 20時) (
レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます！( ；ᵕ； ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです！ (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ﾟ+｡:.ﾟおぉ(*ﾟOﾟ *)ぉぉﾟ.:｡+ﾟめっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…😭更新頑張ります！ (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年4月28日 20時
