・ ページ45
翌日。
4限目の授業を終え、またいつものように中庭のベンチへ向かおうとすると。
「俺も行く！」
また来た。
嫌だ、と断ってもにやにやしながら勝手に着いてきて、結局昨日と同じに。
「俺、今日はお弁当やねーん。ほら、見て見て！！」
「……ふぅん」
昨日のことをまだ根に持ってる私は態と素っ気ない風にして返す。
「なぁー、まだ怒っとん？昨日のこと」
ごめんってー、そう言いながら両手を合わせる彼。理不尽な怒りをぶつけてるのが何だか申し訳なく思えてきた。
「……ごめんなさい」
小さく呟くと、んふ、と鼻で笑われた。何が面白いのよ。
「私が辛い目に遭わないように言ってくれてたんだよね、ほんとにごめん。八つ当たり……みたいなことしちゃって」
「あぁー、まぁ辛い目には遭って欲しくないけど。でもそれは違うかなぁ」
どういうこと。
そう尋ねようと顔を上げると、こちらを真っ直ぐに見据える坂田くんと目がかち合った。
心なしか潤んでるようにも見えるその瞳。
「普通に、あいつんとこにやりたくないんよ。Aちゃんを」
「どういうこと」
「言葉通りやんか。……気づいてた？俺が髪色暗くしてたの」
「そりゃあ」
校則で染髪が禁止されてるというのに堂々とワインレッドの頭で登校し、日々注意を受けてた坂田。
最近大人しくなってることには当然気がついてた。
「Aちゃんが、派手髪好きやないって言うたから」
「冗談、でしょ」
「冗談な訳ないやん。派手髪好まん割にピアスは好きやねんなぁ、俺も最近開けたんやで。あいつと同じとこは何か癪やから、ちょっとずらした」
すっと横髪を耳にかける坂田くん、耳たぶには赤茶の、小さな輪っか。
「なぁ、俺やったらAのこと不安にさしたりせぇへんで？他の女の子と遊んだりなんか絶対ないもん、俺でええやんか。なぁっ」
荒らげた声に反して、優しく抱き寄せられ、包み込まれる。
「早く、堕ちてきてぇや」
いつもより方言強めにしてみたつもりです。
残り話数が迫ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サク(プロフ) - やさん» 了解しました！こちらこそ理解力がなくすみません。恐らくLIVE仕様などになるかと思いますが是非続編にて書かせて頂きます！素敵なリクエストありがとうございます！ (2019年8月25日 13時) (
レス) id: b15236861c (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - サクさん» わかりにくくすみません。坂田さんが夢主に対して嫉妬するという設定です、、！ (2019年8月24日 5時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
はるねこ。(プロフ) - サクさん» いえいえ、、、！素敵なお話をありがとうございます！！思っていた通りで楽しく読ませて頂きました！これからのお話も楽しみです♪これからも応援しています！！ (2019年8月24日 1時) (レス) id: 275c852316 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - やさん» リクエストありがとうございます！お話が満タンなので続編にて書かせて頂きますね！しかしすみません、少しリクエストの意味が汲めてないです汗 どちらがどちらに嫉妬するのでしょうか？？理解不足で申し訳ありません！ (2019年8月24日 1時) (レス) id: b15236861c (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - こんばんは〜いつも愛読しております！今回リクエストの方初めて送らせていただきます。夢主がリスナー設定の「嫉妬されて喧嘩する」お話が見たいです！いつでも大丈夫なので更新できるときによろしければ、、！応援しております！ (2019年8月23日 17時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サク | 作成日時：2019年2月14日 8時
