4 ページ5
.
他の傘屋の売れ行きを知った途端に訳の分からないことを連発し出したこの馬鹿女。
何を隠そう、コイツはこのかぶき町でも上位に入るであろうボケの強者。
俺のような生半可な奴がツッコみきれるほど甘くはなかった。
『旦那、こうなったら江戸中の傘屋打ち壊しに行きましょう!!!
左手に傘、右手に傘、腰に傘、これでよし!!!』
「頼むから黙ってろ、もうツッコミが追いつかない」
『マジですか、これなら新八くん打倒も夢じゃないですね!!』
手に負えないというのはまさにこの事。
こうならないようにちゃんとツッコミの方も練習しておこうと心に誓ったのだった。
『はぁ...誰かお客来ないかな』
「何言ってやがる、目の前に素敵な常連客が居んだろうが」
『店には来ても商品は買ってくれない人の何処が素敵なんですか』
「お前マジか、銀さんがいるだけで幸せです、とかねぇのかよ。
あくまで金重視ってか、さすが年中閉店間際なだけあるな」
冗談混じりに、もし本当に閉店しそうになったらどうするのかと聞いてみた。
別に店が潰れようがこいつが途方に暮れようが俺の知った事ではない、あくまで冗談として聞いただけだ。
すると彼女は顎に手を添え、少し考えた素振りを見せると、特に心配するでもなくこう言った。
『大丈夫です、いざとなったら旦那に全商品買って貰うんで!』
「買わせるの間違いだろ、悪徳商法で通報されてぇのか」
『嫌だな、ジョークに決まってるじゃないですか!!
旦那アメリカ育ちっぽいのにアメリカンジョーク通じないんですね!!!』
「俺はもうつっこまねぇぞ!!!」
さすがは馬鹿、自分が崖っぷちに立っていてもなおこのポジティブさだ。
もし閉店しても、このポジティブさならどうにかなりそう...ではあるが。
「...まぁ、本気でやばそうな時は買ってやらないこともねェよ」
『...それはその、万事屋として、ですか。
それとも...』
「馬鹿言え。
...せいぜい俺に似合った傘でも作っとくこった」
じゃあな、と一言残し、そそくさと店奥から退散し思った。
急に静かになるなんて、今日のアイツはどうかしている。
それとも俺が買ってやる、なんて妙な事を言ったのが悪かったのか。
___いやそもそも、そんな些細な事を考えている俺自身がどうかしているのかもしれない。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
155人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
日替り『貴方は今日カルマになにされる?or何をする?』
突然雑愛が止まったと思えば好き好きって…いや、私彼氏いるんだけど【ハイキュー】
もっと見る
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時