【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

1 出会いは案外偶然 ページ2

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彼との出会いは唐突だった。




土砂降りの雨の中、偶然店前を通りがかった傘もささないその人。




せっかくここに傘があるんだしと、小走りで店を出て、その人に傘を差し出した。




遠慮するなと言っているのになかなか受け取ろうとしないもんだから、思わずなんでですかなんて馬鹿なことを聞いてしまった。




そんな私に戸惑うことも無く、その人は私の手元の傘に目をやって言った。






「...これ、店の商品だろ。
店長がそんなんでいいのか」





『...お構いなく、売れ残るよりはタダでも使って頂ける方が傘も喜びますから』





しつこい押しに負けたのか否か、素直に傘を受け取った彼は「...後で必ず返しに来る」と言い残し、去っていった。




そんな嘘臭いこと信じられるかと、皮肉を込め「そうですか」と単調に言い残し、私も店内へ戻ったのだった。








『＿＿＿＿それがまさか、翌朝わざわざ訪ねてきてくれるなんて思いもしませんでしたよ、旦那』





箒を片手に、入口付近から店奥で優雅に茶を飲む銀髪...こと旦那にまで聞こえるよう声を張り上げれば、すぐさまあの気だるげそうな声が返ってきて。





「そんな素晴らしいお方と今こうして話せることに感謝するこったな、すいませんいちごパフェ三個お願いしまーす」





『ここ傘屋なんですけど！！！！』






もはやファミレスと化しているのはいつもの事。
いちごパフェなら毎度お馴染みの冷蔵庫にあると叫び、掃除に戻る。
ふと、前に三個も平らげられた事を思い出し「一個だけですからね！！」と慌てて付け加えた。

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