2 ページ3
時間は過ぎ夕方
私はみんなの稽古を見ていた
ふと気づくといつもいるはずの人の姿がない。
『あれ?近藤さんがいない…。総ちゃん近藤さん知らない?』
総「何か用事が出来たとかで少し前に出ていきましたよ。」
『そっか。ありがとう。総ちゃん稽古お疲れ様!帰りは1人で大丈夫?』
総「お疲れ様でした!もちろんです!もう子どもぢゃないですよ!」
『ふふふ。ごめんごめん!気をつけて帰ってね』
総ちゃんを見送りご飯の準備ができてもまだ近藤さんは帰ってこない。
朝からしていた胸騒ぎのせいで嫌なことしか思い浮かばない。。
近藤さんお願い!帰ってきて。。
いてもたってもいられず玄関を開け外に出た。
少し近くを探そうと歩きだそうとしたら前から見覚えのある姿が。。
『……っ!!!!近藤さん!!良かった…良かった…無事で。。』
近「Aちゃん!すまんすまん!心配かけた!俺は大丈夫だ!居なくなったりなどしないよ。心配かけといて悪いがこいつの手当をしてやってくれんか?」
ふと横を見ると、長い綺麗な黒髪をひとつにまとめた男性が近藤さんに担がれていた。身体は傷だらけで意識も少し朦朧としている。
近藤さんはその男性を部屋に運び座らせた。
『わかりました。救急箱取ってきますね!』
救急箱を急いで取ってきて手当を始めた。
『今から手当しますね』
男性「………」
『少ししみますよ?』
男性「………」
男性は意識が朦朧としているせいか反応はなかった。
結構深そうな傷を手当しようとして消毒液を勢いよく振った
『あっ…』
男性「……っ!!何すんだでめー!!」
『ごめんなさい!勢いよく振ったら想像以上にでちゃって!………って初めて声が聞けました!ずっと無反応だったので心配してたんですよ!良かったです。』
男性「…っ!!!うるせ…早く終わらせろ。」
『あっ!そうでした!ごめんなさい。すぐ終わらせますね。』
『はい!終わりました!さっきはごめんなさい。でも…あなたの声が聞けて嬉しかったです。今日はゆっくり休んでくださいね。』
男性「………。うるせ……」
『ふふふ。それではおやすみなさい。』
初めて聞いた声はとても低く
初めて見た目は光がなくとても鋭かった
でもなぜだか怖くなかった
彼の瞳の奥にはなにか優しいものがある気がした
これが彼との…バラガキとの出会い。。
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:gin-ruka | 作成日時:2019年5月27日 19時