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そんな浮かれた、調子のいい考えは、思っていたよりも、はるかに、あっけなく崩れていった。


罰が当たったんだ。
きっと、そう。






『…光くん、それ、何の話?』

「んー、俺のこれからの話?」






もう暗い宙を見ながらのんびり答える光くんは、どこからどう見てもいつもの光くんで。

口をちょっと尖らせるのが可愛い、なんてどうでもいいことが頭に浮かんだ。





『Aは、って、何?』

「ん?そのまんまの意味だけど。

________Aは、幸せになってほしいなって」






へらりと笑った光くんは、もう一度、数秒前と同じ言葉を口にした。


2日間の合同合宿終わり。
お疲れ様、と笑い合って。練習試合の話をたくさんしながら帰り道を歩いていた。
いつも通りだった。それが、急に立ち止まってこんなことを言い出す光くんに、いつも通りなんてないのだと言われた気がした。






「俺、3年じゃん?
最近、進路の話ばっかされんの!」

『…、』

「俺、バレーばっかだからさ。
今も、昔も、ずっとバレーばっかりで、きっとこれからもバレーやってくんだと思う」

『…うん、光くんらしいと思うよ』

「そう思った時にさ、Aってどうすんだろって思った」






きた、と思わず身構える。
これから光くんが続ける言葉を、聞きたくないと反射的に耳を塞ぎそうになる。

それでも、逃げちゃいけない気がした。



昨日、体育館で。
光くんの空気に耐えられなくなって逃げた、あの時とは違うから。






ああ、でもそうしたら。
昨日の光くんは何だったんだろう、なんて、また別のことが頭を埋めつくす。

ギラギラとした目で、力強く、凛々しく、猛々しく、雄々しい、あの光くんは。嫉妬に揺れていた光くんは。


近づけたと思った。
光くんの気持ちが、今までで一番近くに感じたのに。






「Aはきっと大学も行くだろ?
俺なんかと違って頭もいいし、何かこう、色々考えてんだなって思うし」

『………そんなこと、ないよ』

「Aは俺の自慢の幼なじみだからな。
きっといい大学行って、そこで彼氏とか作って、いいヤツ見つけて、結婚式とか綺麗なのやってさ」






大混乱の頭でも、聞きたくないことでも、好きな人の声はしっかり聞こえてくるみたいで。


わたしの精いっぱいの否定は、光くんの耳に届いていたんだろうか。

Aのウェディングドレス綺麗なんだろーな!と声たかだかに言う光くんの姿がぼんやりとにじんでいく。

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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます!励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2022年11月30日 21時

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