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「Aさんは、間違ってるよ」
あの日、拒絶、という単語をあえて使ったわたしに、そうやって光くんから逃げる言い訳を作ったわたしに、赤葦先輩はそう言った。
夜久さんと話して、自分の世界の小ささを知って。光くんの横にいることが怖くなったわたしに言ったのと、同じ瞳だった。
「前も言ったと思うんだけど、木兎さんはスターだからね」
『…それは、覚えてます』
「どうして拒絶されるなんて思ったのかはわからないけど、木兎さんはそういう人じゃない」
『よく、知ってます』
そんなことは知ってる。
赤葦先輩に気づかされたことだけど、本当はもっと前から知ってた。
大人しく肯定したわたしに、赤葦先輩は少し目を見開いてから微笑んだ。
その表情からは、ただ愛情だけを感じて。
光くんは素敵な人に囲まれてるなぁ、なんて思いながら、ただ、と続ける。
『光くんが、バレーよりわたしを選ぶことがないのは、やっぱり絶対です』
「…そっか」
『絶対、なんですけど』
声が震える。
息を吸うと、乾燥した空気が喉に張り付く。
ずっと隠してきた、光くんを好きだという気持ち。
光くんの横にいていつも楽しかったけど、苦しくなかったかと言われたら、わからない。
それが、当たり前だったから。
そんな当たり前が、少しずつ、崩れていく。
そんな感覚。
『でも、いいんですかね』
「……何が？」
『わたし、光くんのことが好きって気持ち、隠さなくて、いいんですかね。
…伝えても、いいんでしょうか』
「俺はその答え、持ってないけど。
Aさんが見てきた木兎さんが全てだよ」
やっぱり淡々と言葉を繋ぐ赤葦先輩に、少し安心する。
安心して、つい口が緩む。
この人に全てを、話してしまいたくなる。
『初めて光くんと会った時、こんなに笑顔が似合う人、他にいないと思ったんです』
「うん」
『光くんが、絶対笑顔にしてやる、って言ってくれた時、本当に嬉しかったんです』
「……そう」
頭の中に、今まで見てきた色んな光くんの姿が思い浮かぶ。
ずっと追いかけてきた。
ずっと思い焦がれてきた。
ずっと、大好きな、大事な人。
『…好きって、言いたいです』
「うん。俺は、応援する」
もう一度、微笑んだ先輩が、綺麗だと思った。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
