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「で、結局あなたは赤点だったんですよね」
「赤葦そんなはっきり言わないで！」
テスト明けの放課後。
いつもより練習が早く終わった光くんと一緒に帰ろうと思ったら、当たり前のように赤葦先輩もいた。
それにちょっとツッコみたくもなったけど。
今は、ほんの数メートル先で言い合う2人に苦笑しかできない。
赤葦先輩に散々赤点のことを言われた光くんはそのうち、もう知らない！とぷりぷりしながら歩くスピードを早めてしまった。
『何か、すみません』
「ああ…、木兎さんだからね。慣れてるよ」
ようやく並んだ赤葦先輩は、ため息はつくけれど表情はいつも通り。
『あの、赤葦先輩』
「ん？」
今しかチャンスはない、と意を決して口を開く。
緊張からか、心臓がうるさいほどに鳴っている。
顔を上げると、未だ怒りながらちょっと大股で歩き続ける光くんが見えて頬が緩んだ。
『…先日の、テスト勉強の時のことなんですけれど』
聞きたいのは、先日の赤葦先輩のあの発言。
わたしの光くんへの気持ちに、
気づいているのか、いないのか。
気づいているとして、何を、思っているのか。
しばらく不思議そうにしていた赤葦先輩だったけれど、やがて、ああ、と小さく頷いた。
「Aさんが木兎さんのことを好きって話？」
『ちょっ、！！』
思っていた何倍も大きな声に、思っていた何倍もド直球なその言葉に、思わず反射的に手が伸びた。
赤葦先輩の口を塞いだ手をどうするべきか考えるより先に、いつの間にかニコニコになった光くんが振り返った。
「ん？どうしたー、A？」
『う、ううん！何でもないの！赤葦先輩の口に！
蚊が！そう！蚊がいたから！』
「何！蚊ってもう飛んでるのか！」
『ね！そうみたい！もう夏だからね！』
我ながら苦しい言い訳。
光くんに調子を合わせながら、赤葦先輩の口元を何回か叩いて見せる。
一瞬、先輩の顔が歪んだ気がしたけど、
そんなこと構っていられない。
力加減なんて、考える余裕ないんだから。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
