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しっかり見とけよ、とそれはまぁかっこいい笑顔を残していった光くんを見送って、もうどれくらい経ったか。


何セットか試合を重ねて、
選手達も休憩に入ったタイミング。

ちょっと外の空気を吸おうと体育館から出ると
すぐに近くの水道が目に入った。





彼を見つけたのは、その水道だった。






『…しびれる、ヤックン』

「ん…、ん?誰?」






綺麗。
それが最初の印象だった。



水道に頭を突っ込んで、言葉通り水を浴びていた彼はブンブンと頭を振ってから顔を上げた。



キョトン、と少し見開かれたその目は
しっかりとわたしを捉えている。


少し茶色い、綺麗な瞳だった。






「おーい?聞いてる?」

『あ、すみません!わたし梟谷の…』

「あー、木兎が連れてきたって子か。
さっきごめんな、黒尾が絡みに行ったんだろ」

『絡まれた、というか、お世話になったというか…』

「フハッ、何だよそれ!」






アイツはお世話ってキャラじゃねーだろ、と笑い飛ばす彼は、さっきコートで見た。


あの光くんのスパイクを一回で上げた。
木葉くんサルくんの連携を読んだ動きをして、決まりそうなボールも軽く拾ってた。

音駒のリベロ。



光くんが言ってた、しびれるヤックン。





彼が笑うたび、
色素の薄い髪の毛が太陽の光でキラキラ光る。






「バレー、好きなの?」

『え?』

「あれ、違った?
マネじゃねぇって聞いたから、よっぽどバレーが好きなヤツなのかと思ったんだけど」

『あ、違くない、です!バレー大好きで、!』

「ハハ、必死かよ!
いいよな、バレー。俺も好き」






カラリとした笑い声。

恥ずかしげもなく、堂々とバレーが好きと言うその姿に、大好きな光くんが重なった。

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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます!励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2022年11月30日 21時

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