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(黒尾side)


木兎率いる梟谷との練習試合。


梟谷学園グループでの合同合宿は毎年してるし、
こういう単発での練習試合も今まで何度もしてる。



でも俺らが3年になってからは、今回が初めてで。


木兎も俺もお互い主将になって。
主将って立場をどうこう言うわけじゃねぇけど、
でもそれなりに楽しみだった。




それがどうよ。

来てみたら梟谷にマネージャーじゃない
かわい子ちゃんがいて。



しかもキラキラした目で木兎を見ちゃってさ。

すんごい優しい顔して、
恋してますって顔で木兎のこと見てんだもん。


一瞬で、わかっちまったよね。






『…あの、光くんには内緒にしてもらえませんか?』

「それはいいけど」






ありがとうございますって笑う姿も、
よかったって小さく言って胸をなで下ろす姿も、

もう木兎が大好きって全身から溢れ出てる。



普通なら木兎にイラつくとこだろうけど
そうならずに逆に微笑ましくなっちゃうのは

きっとこの子の純粋な想いが伝わってくるから。






「Aちゃんは、告白しねーの?」

『はい。光くんには、バレー、頑張ってほしいので』

「ふーん」

『な、何でしょう、?』

「いーや?頑張れよ」

『っ、ありがとうございます!』






こんだけバレバレなんだから、
きっと梟谷の面々は気づいてるんだろうね。


まぁ本人は?
あの木兎のことだから気づいてねーんだろうと思うと、健気で黒尾さん泣けてきちゃう。



木兎のことを考えてんのかな。

安心したように綺麗に笑うAちゃんを見て
そんなガラでもないこと考えた。




だからさ、まさか思わなかったのよ。




木兎ってさ、バカでアホで、単細胞で?

そこがいいとこでもあるんだけど。


でも、Aちゃんの言う通り恋愛とか興味ないんだろうなーって、俺も思ってたから。






「あっれー、Aも黒尾も!
何してんの?俺も混ぜて!」

『あ、光くん!』

「何もしてねーよ、ほら試合すんぞ」






だからさ、考えてもなかった。


俺らのやりとりを木兎が気にしてた、とかさ。
こうしてタイミングよく入ってきたのも意味があった、とかさ。


ひたすら元気でバカみたいにバレーしてる裏で
何かを隠してる、とかさ。



そんなこと、器用に出来るヤツだなんてさ。





そんなん、思わねーじゃん。

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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます!励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2022年11月30日 21時

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