［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

相変わらず ページ21

□



「Aちゃん…！」


「お久しぶりです！！」


『ヒナちゃん、タケミチくん…久しぶり』



そして、日曜日の夜。

青宗くんが同行してくれて、久々に会った2人は何も変わっていなかった。

渋谷駅で待ち合わせををし、ヒナちゃんとタケミチくんがよく行くというお店へ。



「タケミチくんは最近食べ過ぎだからサラダだけです！」


「え！？ひ、ヒナさん。でも、俺お腹空いてて…」



2人は本当にお似合い。

ヒナちゃんは相変わらず可愛くて、女の私でも惚れちゃうくらい。

タケミチくんも相変わらずヒナちゃんには頭が上がらないようだったが、色んな意味で逞しくなったのを感じる。



「Aちゃん、凄く綺麗になったけど体が小さすぎるよ。しっかり食べてる？」


『ありがとう。毎日しっかり食べてるよ』


「ならいいけど…。あ！今度家来てよ！一緒にご飯食べよう！」


『本当？是非』



それから、色んなことを話した。

私がアメリカへ行ってからの東卍の話。もちろん皆んな当事者だから蘭よりも詳しく知っていて、どの話しも驚きを隠せなかった。

実は、聖夜決戦でタケミチくんと青宗くんは一度は戦っていたらしく、色々あってその後真一郎が引き連れていた黒龍の11代目の総長になったこと。

そして、横浜のチーム「天竺」との抗争。関東事変と呼ばれ、そこで蘭と竜胆は東卍の敵となって現れていたらしく、蘭に関してはたかくんを病院送りにしたらしい。

そして、黒川イザナという男。圧倒的な戦闘力をもち、エマの兄で、万次郎と真一郎に異母兄弟にあたる…と思われていたがその後お互いあかの他人であることがわかり、彼はエマの母の前の旦那さんがフィリピンの女性との間にできた子供だったらしい。

エマも黒川イザナもその抗争で命が危ぶまれたがなんとか生還し、今は一緒に暮らしているという。

一番驚いたのは、私がアメリカへ行った後すぐに万次郎は私を犯そうとしていた人たちのお礼参り、と言ったら軽々しいが本気で彼らを殺そうとしていたらしい。

それをタケミチくんとドラケンくんとたかくんが必死になって止めたのだと、タケミチくんは言いにくそうだったが私にしっかり伝えてくれた。



『情報量が多すぎて、頭パンクしそう…』


「フッ…」


「そ、そうですよね！？すみません、Aちゃんこんな色々…」


『え、いや、私も聞きたかったし…！』



□

・→←そばにいられるなら

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す