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「海外出張一緒に行こうよA」

「寝ようとしている中で足を引っ張らないでくれ五条、浴衣が崩れる」


永広の自宅。真夜中の2時に、床に就いた永広の足を、まだ寝るなと言うように足を引っ張る五条の2人が、そこに居た。


「まだ新婚旅行してないじゃん」

「そもそも結婚していない」

「リハーサルだよ、リハーサル」

「確定していない本番のリハーサルに構えないんだ、今は」


一応身体を起こして五条を止めようとする永広。


「今日何色着てんの?」

「桃色じゃないか?」

「あ、ホントだ」


ペラッと浴衣を捲って五条が確認する。そこにやめろと手が伸びる。しかし、更にそれを制止するように五条が動いた。


「ドーン」

「うわ、ちょ、やめろ、押し倒すな」

「はいアウトー、理性ぶっ飛んだから」

「明日から任務だろう」

「僕に支障ないし平気だよ」

「私が平気じゃない」


肩をグッと押して、腕から抜けようとする永広。五条は鎖骨に頭を埋めて、噛んだ。

「痛っ」と声が聞こえ、満足そうに笑う。


「あれ?術式使わなかったの?偉いじゃん」

「使えなかったんだ。不意打ちで」

「気が抜けてるだけでしょ?」


確かに構えてはいなかった。これが敵だったら危なかったなと永広は安心する。

五条は布団をバッと退けて、永広の足を開かせた。


「嫌だ、やめろ五条」

「聞こえなーい」

「…ん、触るな」


膝でグリグリと触ってくる五条の肩を何発も叩く。それも無限に当たるだけ。


「と言うか、Aは落とし前つけるべきだと思うんだよねぇ。帰って来なかった罰」

「……いいからこれをやめてくれ」

「あ゛?うるせぇビッチ」


ドスの効いた声に、とうとう永広の腕の力が抜けた。諦めて、五条の服をギュッと掴む。

良い子だね〜、等とほざいて、五条は唇を永広に落とした。

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作成日時:2021年3月9日 0時

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