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37【過去ver.】 ページ37






「おい、出かけんぞ」

「…どこに?」


ある日、五条が永広にそう呼びかけた。首を傾げる永広。


「オマエを女避けに使ってコレ食いに行く」


五条が差し出したのは、「甘いものフェア」と書かれたチラシ。宝石のようなスイーツの写真がふんだんに使われている。


「私と、それに行くって事?」

「もうその解釈でいい。服は今1番洒落てる奴着とけ」


五条がそれだけ吐き捨てて部屋を出ようとすると、永広が「無い」と呟いた。


「はぁ?何が無い」

「服。私の服はこの制服と、寝間着用の浴衣しか無い」

「……はぁ?」



















と言う訳で結局来たのは、服屋であった。


「あの時のワンピースどこに行ったんだよ」

「呪霊が破いた」

「そりゃご愁傷さま」


永広は店に入ってまず戸惑う。右も左も分からずにキョロキョロしていれば「いらっしゃいませ」と声がかかり会釈。


「本日はどのようなものをお探しでしょうかぁ」

「…値段があまり高くない、けど、着ていて格好悪くない服を」

「いや、値段気にせずコイツに似合うの持ってきてください」

「えっ」


「畏まりましたぁ」と言って、店員が去って行った。



















「む、これはヒラヒラが戦う時に邪魔」

「その服で何と戦うんだよ。けど保留」


「少しスカートが短い」

「それくらいが普通。けど保留」


「あ、ズボン。ズボンなら履ける」

「不採用」

「何故…」


「以前着ていたワンピースとあまり変わらない」

「……採用」

「え?」

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作成日時:2021年3月9日 0時

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