宮治と赤い糸で結ばれています

＊ ページ32

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「おーと、逃さへんで」


「はな、離して！」


あまりの恥ずかしさに逃げ出そうとするも、治くんはあたしの腕を離してくれない。



グイッ、

「ひゃっ」


腕を引かれ、あたしの身体は治くんにすっぽりと包まれる。




ドキドキドキドキ

「え、あ、え、待って、えっと、」


とにかくこの体勢はまずい。あたしの心臓があ。





治くんは何も言わずあたしを強く抱きしめる。






そして、あたしの耳元で



「好きやで」



と甘い声で囁いた。


彼の声が耳から腰の方にかけてゾクゾクと神経が駆け巡る。






「あ、あたし、っ、」


もう頭の中がごちゃごちゃだ。






「俺のこと、好きやろ？」


頰に手を添えられ顔を治くんの方へと向けられる。顔が近い。晒したいのに彼の手がそれを許してくれない。






「ほれ、はよ言わんとチューすんで」



「ッ？！！！」



治くんは慌てるあたしに対し「さーん、にー、」とカウントを始める。




「待って待って待って！！！」

あたし今さっき気持ち自覚したばっかりなのに容赦なさすぎでしょ！！こっちはもうパンク寸前だっていうのに！




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