宮治と赤い糸で結ばれています

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「え、えっと、」


好き…？
治くんがあたしのことを？




「好き。やから俺はAちゃんと赤い糸で結ばれててめっちゃ嬉しい」





「…違う、」

ちがう、ちがうよ
それは、治くんのその気持ちは、"恋"じゃない、





「違う？」



「クラスが一緒だったのも、席が隣だったのも、住んでる場所が近いのだって、全部運命のせい。治くんがあたしに、ひ、惹かれたのも、全部、…」



自分で言っておいて、涙が出そうになるのはどうしてだろう。





「確かに、席が隣とか、接点が何かと多いんは運命の仕業かもしれん。けどな、Aちゃんを好きなったのは俺の意思や」




「…」




「喋ってて楽しいって思ったり、可愛えなって、触りたいなって思ったり、もっと一緒におりたいって思ったのも全部俺の意思や」



「さ、さわ」
なんかどさくさに紛れてサラっとすごいこと言ったんだが。





「惑わされるわけやない。俺は、ちゃんと俺の意思で、Aちゃんが好きやねん」





あまりにも真っ直ぐに答える彼にあたしは何も言えなくなる。




「Aちゃんは、俺と赤い糸で結ばれてるのは嫌か？」



「っ、」


"俺と赤い糸で結ばれてるの、そんなに嫌なん？"

夢の中の治くんがフラッシュバックする。






「…い、いやじゃ、ない、けど…」



「けど？」



「…怖い」



「怖い？」



そうか、あたし怖かったんだ。

治くんと運命なんてもので結ばれているのが怖くて怖くて仕方がないんだ。






「あたし、赤い糸が見えるようになったのは親の離婚が原因なの」



ここまできたら、どうしてここまで運命を否定するようになったのかもちゃんと治くんに説明しよう。





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