第十五話 ページ15
「ごちそうさまでした！」
「すぐ歯磨きして行っておいで！」
「はーい！」
姉さんと後輩たちに後片付けを任せて、
私は歯を磨いて店に向かう。
店は居住スペースから長い廊下と庭に
架かる橋を渡って、真っ直ぐ。
建物はひとつに見えるけど、
実際はふたつ。
古い方がみんなが生活している方で、
古いながらもちゃんとリフォームされてるのが店。
やばいな、朝霧姉さんはいなかったから
ずいぶん前に店に行ったっぽいし。
遅れたら楼主の女将さんにどつかれる。
庭の橋を渡るとき、はっ、はっ、と白い息が
私の目に映る。
外は、まだ冷えるね。
・
そんなこんなでやっと到着。
意外と距離ある。
「A！遅いよ全く！」
「朝霧姉さん、すみませっ．．．」
「ハァ、息が整ったらこれ第一宴会室に運んでおくれ。」
到着早々裕美姐さんに遭遇し、
呆れられながらも仕事を任された。
よっしゃ任せてください！！
「えーっと。」
お膳を持って、第一宴会室に向かう。
もう店の一階は笑い声や酔っ払いの話し声で賑やかだ。
「失礼致します。」
「おっ！酒追加だ！！」
「しかも美人！！」
扉を開けて笑いかけると盛り上がるお客様方。
あれ、お酌担当の女の人が私を睨んだ気がする。
ま、いい人は多いけどこういう人も
少なくないからね。気にしないけど。
というか、私より美人でしょ。
眼中に無くていいのに。
酒の置いてあるお膳を置いて、
失礼いたしました。と一言残してから宴会室を出る。
「A、次これ運んでおくれ。」
「はいー．．．ってあれ、朝霧姉さんは？」
厨房に戻ると、すぐさま次の仕事。
「あー、舞のご指名。」
「あぁ、そうですか。」
朝霧姉さん、大人の魅力ってやつで
店の一番人気だもんね。
「ちなみにそれ、二階の十二号室にね。」
忘れていたかのような姉さんの付け足しに、
ゲッと小さく声が漏れる。
「二階．．．ですか。」
「そろそろ慣れなよー？」
ニヤニヤとした姉さんの言葉に、
分かってます！と返してお膳を持つ。
一階は宴会とか、そういうのが多いけど二階は個室。
所謂危ない感じの方のね。
階段を登ると、汗が一筋流れた。
や、やっぱり、慣れない。
ちなみに、改築するときに個室は防音にしたらしく、
音が聞こえることはないが、シーンとした此処も
いかんせん落ち着かない。
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颯 - 黒尾鉄朗がっごいいいいい (2015年3月21日 9時) (
レス) id: 6d17eb9fea (このIDを非表示/違反報告)
りっさん - 夜久さん素晴らしいです。グッジョブです！！ (2015年3月18日 22時) (レス) id: 9319e60931 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - 第29話の三行目の黒尾様が＿＿ってところ黒男様になっています！あ、これわざとでしたか？？でも気になったので指摘してしまいました；；； (2015年3月15日 16時) (レス) id: 0fb612002d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - かよさん» 本当ですか！！？もうその一言だけで今胸がいっぱいになりました。ありがとうございます．．．！ (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - ７時さん» 嬉しいです．．．！ありがとうございます！！赤葦さんかっこいいですよね(笑) な、殴られました！？さらっと言ってますが大丈夫ですか！？(笑) 更新頑張ります！！ (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星月夜 | 作成日時：2015年2月26日 12時
