[ハイキュー]弱くて強いやつ[男主] (ページ2)

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その二、彼はページ2

次の日、牛島が少し遅れて体育館にやって来た

「若利くん、珍しいね遅れてくるなんて」

「あぁ、監督と話をしていた。マネージャーの件だ、本人にも監督にも許可をもらえた。こいつだ」

そう言って、自分の背後から1人の少年を連れ出した。

『はっ、わわわ若利！』

「なんだ」

『ぼ、僕はどどどうすれば』

「名前を言え」

『そ、そうだね、うん…佐伯Aです
こんにちわ』

牛島に比べるとかなり小さい少年だ
自分の目の前にいるバレー部にビビりまくり、声が震えている

「えっと……若利くん、大丈夫？」

「俺は平気だ」

「いや、この子」

ワタワタとするAを指し示し、天童は苦笑いをうかべる。

「大丈夫だ、そのうち慣れる」

「あ、そーぉ」

最初のイメージから一変、Aは気が利き、仕事も効率よく行っていた。スポドリはもちろん、各選手の記録取りもいつやったのか…という感じで、すぐに先輩や監督からも気に入られていた。

「A、ボール出し頼んでも…」

「瀬見、待ってくれ。」

「若利？」

Aに頼もうと瀬見が声をかけると、若利がすかさず遮った。ボール出しは選手に頼むよう言い、Aをほかの仕事へと向かわせる。

『ごめん、ありがとう若利』

「あぁ、気にするな」

監督は何か事情を知っているのだろう。その様子を見て口出しをしようとはしていなかった。