第23話 ページ26
太宰「冬華こそ、探偵の方が向いてる。だから武装探偵社に入らないか?」
冬華「ごめんなさい、私にはやっぱり駄目だ。お兄ちゃん背中を追いかけたい。」
太宰「織田作の、かい?」
冬華「ええ。迎えに来てくれたのは嬉しいよ。でもね……。」
太宰「……これからどうするの。」
冬華「私は探偵社を……邪魔なアイツらを消します。」
太宰「ほう、流石だね。」
冬華「此方は準備ができてますし……治は良いよね。」
太宰「なぜ?」
冬華「……みんなに恵まれてる。私は……治の代わりなんだよ……実力なんて…そもそも仲間の……信用も。」
太宰「……それはどうかな。」
冬華「治に何が……!」
太宰「……分かるよ。だって……ずっと見てたんだよ。」
そうだ。この人はあの後から私の面倒を見てくれた。
冬華「……でも本音までは……見えてない癖に。」
太宰「そうだね、君の本音は見えない。」
冬華「……治、私はマフィアの方で治を待ってるね。」
太宰「……冬華。」
冬華「あ、そろそろ……時間。」
太宰「待って、行くな!」
冬華「えっ?」
胸に大きな穴が開き、そこから鮮血が出てきた。
異能か?
太宰「何処にいる……!」
冬華「……治。」
太宰「ふ……ゆ…か。」
衣服が真っ赤に染まって行く。彼女の顔が段々と血の気が無くなっていく。
冬華「……これで、おに……いちゃん……。」
最後の力を振り絞って顔に触れる。
太宰「……だ、誰か呼ぶから……ね?」
冬華「……んっ……。」
マユ「間に合ったか……。」
冬華「……ッ。」
マユ「かなり傷が大きいなぁ。パーカー来といて。下の血は……和服の色といえばなんとかなる。」
真緒「バイト料払ってよ?幹部代理様?」
冬華「え、ええ。」
真緒「……冗談よ。治癒ステッキの効果は抜群みたい。」
太宰「君たち……。」
マユ「最近バイトで何でも屋をやっててね。魔法のステッキ関連のね。」
太宰「……有難う。」
マユ「……当然ですわ。」
太宰「にしても……無事でよかった。」
冬華「もう大丈夫だから、泣かないでよ。」
太宰「…ごめんって。」
私はいつの間にか涙を流していたのか……溢れて止まらなかった。
抱きしめられて。
織田作と同じ匂いがした。
とても、良い匂い。安心する
橘「此奴、私の先輩に抱かれてる。」
サト「怒っちゃダメよ〜。」
橘「今度、やる。」
サト「ダメだよ、だって……結婚する。」
橘「んなっ!?」
サト「帰りましょう。レイさん。」
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作者名:黄泉 | 作成日時:2018年7月21日 20時