第13話 ページ15
遠くから足跡が聞こえた。
太宰「……織田作!」
織田「太宰、か。」
太宰「………ねえ、織田作。」
織田「なにも、いうな。」
太宰「!」
織田「……妹を……あの子を…頼んだ。」
太宰「……織田作、ねえ私はどうすれば……。」
織田「………人を救う側になれ……。」
太宰「……ああ。」
冬華「……太宰さん、お兄ちゃん。」
織田「………冬華。何かあったら頼れ……いいな?」
冬華「お兄ちゃん……。」
震える手で私の頬に触れる。
ああ、愚かだったのは私の方だったか。
織田「……冬…華……すごく、綺麗だぞ。……自分を、大事にな。」
すごく、長く感じた時間だった。
わたしはいつの間にか涙を流していた。
お兄ちゃんはすごく冷たい。
いつまで待っても次の言葉は出ない。
私の周りには何もなかった。
ただ、私のスマートフォンが転がっているくらいだった。
ただただ泣いていた。
私の兄が死んでしまった、その事実が現実味を帯びてくる。
冬華「……お兄ちゃん、私もそっちに行くからね。」
私はお兄ちゃんの銃を持ち銃弾を確認した。
あと2発残ってる。これなら、十分だろう。
少し深呼吸をして銃口を自分の頭に向けた。
これで、楽になれる。
そう思ったのに。
兄の銃を何者かによって飛ばされた。
否、棒みたいなもので飛ばされた。
万「不幸だねー、不幸だねー。君が死んだら私が困るんだよね。織田作之助の妹であり同じくポートマフィアの構成員の冬華さん。」
冬華「な、なんで名前を知ってるの?」
万「調べれば何でもわかるの。私からのプレゼント。この鋏。」
冬華「だから、なんですの?」
万「この赤いボタンを押せば大きい鋏に変化する仕組みですわ。これは魔法少女サイトからのステッキ。もう一つ別の魔法少女から贈り物が届いてる。」
冬華「魔法なんて、いらない。お兄ちゃんに会えないじゃない。」
そうだ、万能な魔法といえど兄には会えない。
そもそも魔法少女サイトなんて馬鹿らしい。
万「ああ、私は万という名前、魔法少女サイトについては追って説明する。私は横浜周辺の管理人をしているの、貴方……___を処罰しておきなさい。」
冬華「………わかった。」
万「そこのご遺体は兄貴か?」
冬華「……そうです。」
万「うん、じゃあ明日家に行くよ。」
冬華「……はい。」
万「兄を私が君の家まで運ぶよ。」
冬華「何から何まですいません。」
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黄泉 | 作成日時:2018年7月21日 20時