07.化け物 ページ10
NO SIDE.
『メデューサ……たしか髪が蛇の、目見ると石になる
敦「下手したら虎より危ないじゃないですか……!!」
太宰「いやあそれがね??そのメデューサ、“人助け”をしてるらしくて」
敦「メデューサが人助けぇ!?」
『敦その驚き方ばっかだね』
敦「いやそんなこと言っても……」
太宰「でね、私はそれが異能力だと踏んでいるのだよ」
太宰は一度言葉を切ってAを見た。
太宰「Aちゃん、敦くん、何か知らない?」
太宰の言動は少し異様だった。
特に、“2人に聞いているのにAしか見ていない”ところが。
そして、Aだけを見る理由にこの少なすぎる情報で辿り着くところも。
しかし敦は全くそれに気づいていないようで、少し考えてから至極真面目に言葉を紡いだ。
敦「いやあ僕は知りませんねえ……。さっき聞いてあんなにビックリしましたから」
太宰「ふむ、そうか…………Aちゃんは?」
敦との短いやり取りの間、Aはまた虚ろな目になっていた。
しかし名前を呼ばれると、パッと笑顔になって太宰たちの方を向く。
『え?あぁ、………簡単に言っちゃえば僕それについて少なからず知ってるよ』
国木田「それは本当か!?」
国木田がガタッと席を立ち上がったが、太宰は宥めて笑顔で言う。
太宰「ならばそれを隅から隅まで教えてもらいたいんだけども。なんせ“メデューサ”に関しては情報が全く無くてねえ」
『探偵も大変だねー』
それで?
太宰は先を促すようにAと目を合わせるが、Aは微笑むばかり。
太宰が目を合わせたAの瞳には、ほんの一瞬赤が混ざったような気がした。
『まあ、そのことは気が向いたらぜーんぶ話すヨ。だから今は……ね』
太宰「……まあ今はそれでもいいか」
案外あっさり引き下がった太宰に、国木田は焦って話しかける。
国木田「…いいのか!?」
太宰「いいんだよこれで。彼女はいつか絶対に話す。それも、そう遠くない未来で……ね。Aちゃんはそのことも分かっているはずだ」
国木田「…だが……」
太宰「大丈夫、メデューサは人助けをしてるんだ。実情を知りたいだけで、虎のように迅速な対応が必要なわけじゃない」
国木田「…それもそうか」
すると、太宰と話す国木田にAが話しかけた。
『どーお?……言っとくけどさっきの敦みたいに腕か話すかって言われたら別に腕を選べるからね、僕』
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宵凪(プロフ) - ただの一般人さん» ひょえわぁ!?!?めちゃくちゃ褒めてくださる……✨✨✨めっちゃ励みになります、ほんとにありがとうございマス…!!これからも更新頑張ります、ぜひ2もよろしくお願いします〜〜!! (2023年4月20日 7時) (レス) id: 828efe0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - すっ…すごい…!!絵も物語も上手いだなんて…。宵凪さんの文の書き方と絵柄が、めっちゃ好きですちょっとわけてくれませんかお願いします(切実)カゲプロも文ストも好きなのでもう…ダメだ好きすぎた(遺言) (2023年4月20日 2時) (レス) id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
宵凪(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙さん» りりりさんありがとうございますッッ!!㊙エピソード好評で何より……!これからも頑張りマス!応援ありがとうございます!!! (2023年2月19日 10時) (レス) id: 47abe22f42 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 途中で出てくる㊙エピソードと一緒に読むと更に楽しめて良いと思いました!!続編も出てるみたいなので拝見させて頂きます!あくまでもご自分のぺースで頑張ってください…!! 長文失礼いたしました! (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 遅くなりましたが、イベント参加ありがとうございました…!! 夢主の目の設定がかっこいしテンションブチ上がってる中垣間見せるクールな一面が素敵だと思いました!! というか織田作…めっちゃ気になるし敦君の想いがどうなっちゃうのかも気になります… (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵凪 | 作成日時:2023年1月22日 12時