異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

32.空間と空間の狭間 ページ41

NO SIDE.


敦「なる…………」

国木田「ほど……？」


敦たちは、首を傾げながらも一応相応の理解はする。

ただ、分かりきれていない様子を見て、Aがすかさず付け足した。


『で、僕は《合体せる》で創り、操る“カゲロウデイズ”って言う空間を視ることによって“僕”こと《冴える》と話をすることもできる。……いつもは自我を出さずに普通に脳の回転をサポートって感じだけど、その気になれば話し合いも出来るってことだよ。それで………』


しかし、太宰がストップをかけた。


太宰『ストップストップストーップ！！詳しく説明するどころか謎を増やさないでくれ給え！！《合体せる》の能力は？“カゲロウデイズ”ってなんだい！？』

『アッ……ごめん』

太宰「ほら見て！敦くんなんかキャパオーバーで放心状態だよ！！」


見遣ればポケ〜っとしている敦。

まさしく脳の情報許容量と回転率の限界を迎えたようだった。


『…一つ一つ言うね………』

谷崎「そうして……」

『えっと、まず《合体せる》はその他の能力たちのコントロールを担ってて、いわば馬車の手綱とか本能に反して働く理性とかなんだよ。で、《合体せる》を上手く使って全ての能力を組み合わせると、“カゲロウデイズ”っていう亜空間を創ることが出来る。………ここまでOK？？』


Aが丁寧に話しながら一旦言葉を切ると、一同を伺う。

太宰たち、敦や谷崎らも理解できたようで、Aに頷くとAはまた話し始めた。


『…“カゲロウデイズ”は空間と空間の狭間にあって、まず時間軸……つまり時間の流れ方も違うんだよ。カゲロウデイズではこっちの1秒すら2時間以上だと思う』

国木田「………なら、カゲロウデイズに一瞬だけ入る、ことは出来るのか？」

『カゲロウデイズが何かを飲み込んだりできるからまず入れるは入れるよ。たぶん……一瞬入って出ることも可能なんじゃないかな………どうして？？』

国木田「その前にもう一つ聞く。カゲロウデイズに入って、違う場所に出ることは出来るか？」

『あー…それもたぶん、出来るよ。なんてったってカゲロウデイズは空間と空間の狭間である“亜空間”。…亜空間、の意味知ってる？“通常の物理法則が通用しないとされる空間”なんだよ。移動くらいわけないって！！…で、どうして？？』

国木田「いや……それなら実質それは瞬間移動というものではないのか？」

『え』



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