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ヒュウゥッ
冷たい風が頬に当たる。
痛いけど、我慢。
これが最後だもん。
お願いして、奏芽に放課後を空けて貰い着いてきてとお願いした。
目の前には、さくらちゃんがいる。
「さくらちゃん、なんでそんなに笑っていられるの?
貴方のせいで傷ついた人は沢山いるんだよ。」
余裕の笑みでニコニコしてたさくらちゃんから、笑みが消え悲しそうな表情になった。
「聞いてくれる?」
静かな調子で話し出した。
「私がね、小学生の頃だったと思う。
両親が大手企業に勤めてて、お姉ちゃんもいた。
端から見たら、仲良しで理想の家族だったよ。
でも、違った。
お姉ちゃんは、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、性格よしのパーフェクトだったんだ。
でも、私はお母さんとお姉ちゃん譲りの見た目がいいだけ。
良いところはそれだけなんだ。
前は明るい性格で、成績は悪かったけど、男子とお昼休みにサッカーしたり、そういう女の子だった。
比べられることはあったものの、結構気にされてはなかった。
でも小5のとき、私赤点取ったんだ。
さすがに赤点ははじめてで、凄く怒られた。
それからだよ、家族の当たりが酷くなったのは。
家では、無視。
お姉ちゃんには見下されるようにされて、お母さんにはご飯もおにぎりしか作ってもらえなくて、お父さんにも見捨てられた。
共働きだったから学校から帰ったらお姉ちゃんと2人だったんだけど、お姉ちゃんも塾の自習室で過ごすようになって、私を1人にしたの。
それから、耐えられなくなって家出した。
結局、保護されてある人の養子になった。
とても優しい人だよ。
お父様は大企業の社長で、お母様は私に付きっきり。
お手伝いさんがいて、凄い家だった。
私は、そこから真面目になった。
小6で、中学受験をしたいと頼み込み頑張れって言ってもらえて、、
もうガッカリさせたくなくて毎日勉強した。
性格も変えた。
おしとやかな優等生キャラになった。
無事、ローランに入れて成績がドンドン上がってってね。
お父様達は喜んでくれて、褒めてくれて、無理しちゃダメだよって言ってくれて、幸せだった。
でも、
悔しかった。
ここに通ってる人は、皆本当の親のもとで暮らしてる。
普通なことが私にとって羨ましくて、
なんで私だけって
悔しかったの。」
私は声がでなかった。
こんなに辛い思いしてたなんてって思って。
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流雲(プロフ) - ゆ〜なりさん» これ、アプリで作ったやつだよ〜笑 ありがとう!頑張れる! (2019年10月20日 15時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜なり - すごい面白いー!絵が上手すぎない? (2019年10月20日 10時) (レス) id: dc1b74a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - アメリアさん» わあ、うれしい!ありがとうございます!頑張りますね! (2019年9月24日 19時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
アメリア(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月15日 16時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流雲 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/moe181031suzuki
作成日時:2019年9月3日 21時