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no side
ぎゃあぁぁぁぁ──────
Aが伯母の家に引き取られて三ヶ月。
昼頃に耳をつんざくような悲鳴が響き渡る。
『ッ!?蛍……!?』
Aは部屋を飛び出して台所へ走る。
台所で見たのは──────
『蛍!!!』
泡を吹いてグッタリと倒れる妹の蛍だった。
『どうしたの!!?大丈夫!?蛍!!』
「カハ……」
声をかけても顔を青くして泡を吹くばかり。
『だ、誰か!!蛍が!!蛍を助けて!!』
その声を聞いて伯母が入ってくる。
『お、伯母様!蛍を見て下さい!
何だかとっても苦しそうなんです!泡を吹いてる!』
「…………ちょっと強かったかしら」
『!?』
伯母は表情を変えずそう呟いた。
『強い……?』
「毒よ。アナタの家でもやってたでしょう?
体を毒に慣らす訓練。
だから昼食に蛇の毒を薄めて混ぜたの。」
『ほ…蛍はやってないです!!
だって、だって蛍は三歳なんですよ!?』
Aは妹を抱き寄せる。
『蛍に解毒薬を飲ませて下さい!!』
「……もう遅いわよ。よく見なさい」
その言葉にハッとして妹を見る。
呼吸は止まっていた。
『や、やだっ……蛍、死なないで!!
蛍!!目を開けてよ!!ねぇ!ねえってば!!』
伯母は黙ってその様子を見ていた。
『やだよ……!!なんで蛍まで死んじゃうの!?
うわぁぁあああ──────』
.
「…………うるさいわね」
.
『ッ……!!伯母様が、伯母様が蛍を殺した!!
何で!!何でこんなことしたの!!!』
.
「何でって……アンタ達が弟の子供だからでしょ」
.
「弟は昔からなんでも出来た。
頭も良くて、運動も出来て、暗殺の才能もあった。
私は姉なのに弟には敵わなかった。
それが憎くて憎くて仕方なかったのよ。
弟が死んだと聞いた時、嬉しかったわ。
一番の目の敵がいなくなったんだもの。
弟の死因は単純な失血。人の技じゃなかったわ。
犯人は分からないけど私には好都合。
アンタ達を引き取って
私の惨めさをアンタ達に味あわせてあげられる。
──────明日から訓練、再開しましょうね。」
.
『嗚呼……………………』
助けて、そんな言葉は出なかった。
Aは冷たくなった妹を抱き締めて静かに泣いた。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時