廿肆 ページ26
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「そんなまさか!
柱ですら誰も接触したことが無いというのに!」
竈門炭治郎……ド派手な野郎じゃねぇか!!
思わず身を乗り出し竈門炭治郎の方を向く。
甘露寺に当たった気もする。
「コイツが!?
どんな姿だった!?能力は!?場所はどこだ!」
「戦ったの?」
「鬼舞辻は何をしていた!根城は突き止めたのか!
おい答えろ!」
「黙れ!俺が先に聞いてるんだ!
まず鬼舞辻の能力を──────」
お館様が指を口元に当てる。
静かに、その合図だった。
サッと口を閉じ頭を下げる。
「鬼舞辻はね、
炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。
その理由は単なる口封じかもしれないが
私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を
掴んで離したくない。
恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の
何かが起きていると思うんだ。
分かってくれるかな」
そう問われるが誰も答えられない。
……が、不死川は答えた。
「分かりませんお館様。
人間ならば生かしておいても良いが鬼は駄目です。
これまで俺たち鬼殺隊がどれだけの思いで戦い
どれだけの者が犠牲となっていったか──────
承知できない。
それに、なにも鬼舞辻に会ったのは
お館様はそっと師範の方を見た。
「礎のAさんだって見てるでしょう!」
『……』
「何とか言ったらどうです……!」
師範にとって嫌な思い出じゃねぇのか。
それを聞き出すなんて不死川は冷静じゃねぇ。
かく言う俺も最初は忘れてたが……
『……確かに私は鬼舞辻と遭遇しています。
が、追っ手は掛けられていません』
「だが師範は…鬼舞辻に気に入られてるんじゃ、」
そんな話を聞いたことがある。
遭遇し刀を向けた鬼舞辻に殺されなかった、と。
「面白い奴だ」と言われ姿を消した鬼舞辻。
そう言われた理由はまだ聞いてないが。
『ッ、やめて下さい。
あれは、アイツの気紛れです。有り得ません』
ギシリ、と軋むような嫌な音がした。
憎悪、後悔、恐怖。
そんな感情が混ざった嫌な音だった。
『……私より竈門炭治郎君の方が
鬼舞辻に近い存在であると思われます』
そう言う師範の表情は
苦痛を無理やり抑え込む様で、泣きそうだった。
こんな師範は…………いつぶりだろうか。
「……ッ」
何かを察した不死川はサッと刀を抜いた。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時