お隣、14日目 ページ14
▽
「……一旦休憩にしよか」
「っやっっったー!休憩!」
解放〜!と叫んで腕を伸ばしながら後ろに倒れる水野。よく北さんの家でそんなリラックスできるものだと呆れを通り越して関心する。
俺からしたらここは大魔王の城や。
「Aは頑張っとったな」
「へっへっへ!」
「コイツ教科書に落書きしとりましたよ」
「ちょっ治君ーーー!?!?」
ほんまか?と北さんに聞かれブンブンと首を振る水野。絶対嘘やんけ。
しかし北さんは怒ることなく、小さくため息をついてから水野の頭を撫でた。
……は?撫でた?
「ほんま、しょうがない奴やな」
「落書きはちょっとだけですもん!」
「もうしたらダメやで?」
「はあい」
ちょっと待ってください。
僕あんな北さんの顔初めて見たなあ!(戦慄)
あまりのギャップに体が震える。あの北さんがあんな優しそうな顔で女子の頭を撫でるとか、どうなっとるんや。ていうかご近所さんって言ってたけど、つまり家同士の付き合いがあるっちゅうことか?
だから仲がええんか?ん?どういうことや。もう訳が分からん。
頭がこんがらがって、一周周り思考停止。
考えたって分からんもんは分からんのや。
北さんとAは相変わらず親し気に話しているし、それを見てサムは不満そうな顔だし、なんなんこの地獄のような空間。
「せや、なんか食いもん買ってこよか」
「食べたい!」
北さんの提案に賛同する水野。水野が賛成するならば、と「いいですね」と言うサム。周りに合わせて「いきましょか」と賛成する俺。
「全員で行く必要ないな、2人くらいでええか」
__その瞬間、緊張感が走った。
いや、俺には走ってへんけど。
なんとなく走ったのが分かった。今この瞬間のサムの思考回路を俺が予測したる。恐らく『これはAと二人きりになるチャンスや!なんとしてでもツムと北さんに買い出し行かせよ』だ。
サム、もしこれが当たってたら、俺はお前をもう双子だとは思わへんぞ。
「ツムと北さんペアで良いんとちゃいますか」
双子やめてやる。
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです!そちらの曲も聞いてみたいと思います! (2020年5月27日 13時) (レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます!!OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました!聞いてみてほしいです! (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬田 | 作成日時:2020年5月15日 20時