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0日目47 ページ48

月島に眼鏡越しに睨まれるも当の角名は変わらず飄々とした態度で澤村に視線を投げかける。彼は月島本人の提案だということに驚愕し、そしてしばらく考えた後口を開いた。
「それならやっぱり、この作戦自体を考えた孤爪くんに頼みたい」
「うん、了解、です」
 まっすぐに真剣な目を向けられた孤爪は人と相対することに緊張しながらも、小さく頷いて唇を引き結ぶ。平時であれば逸していただろう猫のように鋭い目は、今回に限ってはまるでコートの向こうの相手を見定めるるように、人狼の可能性のある澤村を見据えていた。
 共有者を確認する役が決まりいよいよ実行に移すかと皆が動き始めた矢先、不意に角名が言葉を発した。
「あ、すいませーん、まだちょっといいですか?」
「なになに君、ずいぶん注文が多いね」
「いや、ちょっと気になることがあって」
「はぁ……、くるうと思った」
 小さく手を挙げる彼に及川が呆れ混じりのため息をこぼす。その後ろでは孤爪がまるで予想していたかのような辟易した反応を見せる。
「それ、さっき月島にも同じような質問したんですけど、そっちも作戦の立案者だからっていう理由で孤爪を選んでたんですよね」
「そら当たり前やろ」
 前の方の座席に腰を掛けていた赤木がジト目でツッコミを入れるが、ホワイトボードの前に立つ主将たちは一部を除いて険しい表情を作った。
「ここで怪しいと思うのは考え過ぎかな?」
「さあどうだかな、人狼だったらこの穴を突いて畳み掛けそうなものだが……」
 人狼の可能性は確かに高まったがそれで確定するには根拠が弱すぎる、そんなどっちつかずな反応は先程角名の話を客観的に聞いたときの国見と同じものであった。
「なあいくら考えてもなんで弧爪が怪しいのかわかんねーんだけどなんで?このすげー作戦考えたのあいつなんだろ?」
「どっちかっつーと問題は考えたことじゃねーな、……当然の流れではあるんだが、共有者が二人出てきてもし順当に話が進んだら高確率で研磨が共有者の確認役になるっつー点だ。っつっても、正直コイツが狼なら、会議室で考えついた時に言わずに、そこまで色々考えられそうにないやつにこの場で初めて言わせる……、くらいはしそうだけどな。対抗共有者の根回しも兼ねて」
 木兎の疑問に孤爪の幼馴染である黒尾が答える。孤爪のことをよく知っている彼からしても孤爪の評価は村人寄りのようであった。

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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星を廻せ | 作成日時:2023年3月19日 7時

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